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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年7月 4日

(出展:JAXA)

7月3日 L-4 days

さて、フィットチェックも終わり、あとは打ち上げまで大きな訓練はありません。
実質、クルーも宇宙船もロケットも、打ち上げに向けてReadyという状態です。

朝イチには、ドクター・ノーからメディカルブリーフィングがありました。
というのは、今日私たちクルーの家族や打ち上げを見に来てくれた友人たち、GCTC・NASA・JAXAの関係者が続々バイコヌール入りし始め、この訓練所もこれまでと比べてかなり賑やかになるので、それにあたっての医学的な注意事項に関して念押しがありました。
ここからが、彼の仕事も本番というところでしょう。

その後は、ソユーズに搭載される医薬品のレビュー。
どんな種類の医薬品が、どこに搭載されているかを、リストを元にロシア人のフライトサージャンから説明を受けました。
家庭用常備薬に当たるような医薬品は、一通り搭載されています。
特徴的なのは、宇宙酔いに対する薬くらいでしょうか。
それも、注射するタイプや、錠剤タイプ、座薬タイプとあります。
宇宙酔いに対する症状は、本当に人によって千差万別のようですので、こればかりは自分でも予想が全くつきません。
私はどちらかというと乗り物酔いしやすいタイプなので、人並みには症状が出ると思うのですが。
ISS到着後に、それはレポートしたいと思います。

そして、ソユーズのインストラクターと搭載する手順書の最終確認をしたのち、エネルギア社の軌道計算の専門家の方から、現時点の最新のタイムラインについて説明を受けました。
それによると、打ち上げ時刻は現地時間で7時36分41秒と、前回聞いた時刻より1秒遅くなりました。
この1秒がどういう意味を持つのか。
もはや素人の理解を超えています。
他にも、ISSとのドッキング時に想定される太陽の位置や、ISSの見え方などをイラストで説明してもらいました。
ISSとのランデヴー時に太陽の光が当たっているのが理想なため、ドッキングは夜の部分になることがほとんどですが、私たちの場合も例外ではなく、ドッキングの数分前に太陽が沈む計算だそうです。

続いて、宇宙酔いに対するための、宇宙環境適応訓練。
例のティルティング・テーブル(傾きの変えられるベッド)と回転椅子です。

回転椅子は、亀のような歩みですが少しずつ、タイムを伸ばしています。
それでも、終わると30分くらいは胃の中が気持ち悪いのは相変わらずです。
ロシアのフライトサージャンに、ISSに向かってる途中に気持ち悪くなったらどうすれば良いか聞いたところ、

・動かないどこか1点を見つけてジッとしていること
・首を動かさない
・窓の外は見ない(ソユーズは太陽電池を太陽へ向けるためにスピンしているので)
・帰還モジュールの座席に座って、ベルトをしてジッとしている

といったアドバイスを頂くことが出来ましたが、要するに乗り物酔いと一緒ですね(;・∀・)
私は乗り物酔いしやすいタイプ・・・なのですが。


夕方、バイコヌールに到着した家族と面会できました。
同行の油井さんが大活躍して下さっているようで、元気そうな家族の姿を見て、私の方が何だかホッとしてしまいました。
子供たちとは、部屋を2つに分け隔てるガラス越しでしたが、それでもこうして面会できることに感謝してやみません。
油井さんを始め、多くの関係者の方々、本当にありがとうございます。

明日は、ロケットのロールアウトというイベントが行われます。
工場内で組み立てられたロケットと宇宙船が、打ち上げの為に発射台に運ばれ、立ち上げられるというものです。
工場から、ゆっくりと機関車に押されて移動していきます。
(最初、引かれてと書いたのですが、バックアップの時の写真を見ると押されていました。人間の記憶って当てになりませんね)

慣習で、私たちプライムクルーはこのロールアウトを見に行きません。
何でも縁起が悪いとか何とか。
縁起を担ぐのが大好きなロシアの人たちですから、ここはバックアップクルーに見に行ってもらいます。

その代わり、私たちのコインを持って行ってくれるそうです。
そして、そのコインを線路の上に置いて、ロケットを乗せた機関車に踏んでもらうそうです。
それが縁起が良いらしいです(;´・ω・)ナゼダ
まあ、私たち日本人にとっての、お賽銭のようなものなのでしょうか。
私がバックアップクルーとして、ロールアウトを見に行った時はやらなかったので、これはプライムクルーの特権なのかもしれません。

「タクヤ、日本のコイン持ってる?」

と聞かれて、慌てて自分の部屋に戻って確かめてみると、ありました!
先日、日本に帰国した際の手持ちのコインがありました!

50円玉と、500円玉が1枚ずつ。

・・・・・・

少し迷った挙句、ここでケチってもしょうがないと思い、500円玉の方を渡しましたとさ。



 
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