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2016年1月17日
早いもので、打ち上げ前最後の日本での訓練が迫っていますので、帰国前に散髪しておこうと、いきつけのお店に行ってきました。
そのお店は、私が住んでいるジョンソン宇宙センターのあたりから、ヒューストンの中心部を挟んだ反対側にあるので、車で50分くらいかかります。
担当してもらうのは、マイケルです。
彼は中国の人で、彼に散髪してもらうようになって、もうかれこれ4年くらいになるでしょうか。
なかなか人気があるようで、直前では予約が出来ないことも多く、また私のスケジュールが忙しすぎる時は家の近所のお店の台湾の人(なぜか彼の名前もマイケル)に切ってもらうこともよくあります。
その彼が、今日私が席に着くなり、私の髪を少し見て、
「これ、最後誰に切ってもらった?近所のお店の人じゃないでしょ?」
そこで私は、はたと考え込んで最後に切ってもらったのはどこだったろう・・・と思い返してみたのですが、そう言えば1か月前はバイコヌールにいたので、そこで隔離施設に派遣されてきた地元の美容師さんに切ってもらったのが最後でした。
「うん、そう。ちょっと仕事でロシアの方に行ったときにね。そこで切ってもらったんだ。でもよくわかるね?」
「自分が切った髪かどうかは、見ればすぐわかるよ。たまに切ってもらってる、家の近所のお店で切ったんじゃないってこともね。切り方を見て、アジア人の切り方じゃないと思った」
いつも思うのですが、その道のプロってすごいですよね。
1か月前に切ってからだいぶ髪も伸びたので、もうその時の原型なんて留めてないのですが。
「自分で切った髪じゃないってわかるだけでもすごいと思う」
と私が驚きを述べると、
「おれは手の込んだカットはしないからねー。昔はしてたけど、今はもうしない。
今は、その人の髪型を変えようと思ってないんだ。その人が家に帰っても、家族に気付かれないような、そんなカットを心がけてる」
と彼なりの哲学を語ってくれました。
自分が何となく彼を気に入って、ずっとお店に通っている理由がわかったような気がしました。
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