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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年1月15日

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

今日も盛り沢山の1日でした。

朝8時から午後1時まで、第48次長期滞在クルー6人での緊急事態対処訓練。
一昨日は第49次の6人でしたが、今回は第48次です。
メンバーは、アメリカ区画側がジェフ、ケイト、私。
ロシア区画側が、アレクセイ、オレグ、アナトーリです。

本来であれば、第48次のメンバーで先に訓練を行って、それから第49次のメンバーで行うべきなのでしょう。
というのは、一昨日書きましたが第48次のメンバーで中心となって事態に対処するのは、ISSコマンダーであるジェフを擁するソユーズクルーであり、私のソユーズクルーはサポート役になるからです。
先にサポート役としての立ち回りをしっかりと身に付けた後、自分たちがプライムクルーになるのが訓練的には妥当な流れなのですが、何しろ長期滞在にアサインされているメンバーのスケジュールは過密なので、全員のスケジュールを合わせることは容易ではなく、結果として今回のような逆転現象が起きたのではないかと思います。

ただ、別の見方をすれば、既に一昨日自分たちが中心になって緊急事態への対処を学んでいるので、サポートクルーがどのように動いてくれると助かるかがわかっているので、それはそれで順序が逆転したことのメリットなのかなと思いました。

シナリオは全部で4つ。
一昨日と同じように、火災が2つ、急減圧が1つ、アンモニア漏れが1つでした。

ジェフは以前ISSで長期滞在を行った際にもコマンダーを務めており、既にベテランのISSコマンダーですので、さすがに事前ブリーフィングでも各メンバーの役割分担を明確に決めて、注意するべき点、彼自身が大切だと思っていて他のメンバーにも守ってもらい点などを事細かく指示していました。
訓練中も1つ1つの指示がはっきりしていて迷いがなく、時には自分が前線で処置にあたったり、時には1歩引いて後ろからメンバーを指揮したり、状況に応じたリーダーシップを発揮していたのは見事と言うしかありませんでした。

4つのケース全てで、大きな問題なくスムーズに、しかも短時間で処置を終えることが出来たので、6人のチームワークは非常に良かったと思います。
第49次で自身初のISSコマンダーを務めるアナトーリにとってはもちろん、今回が初フライトとなる私にとっても、ジェフと一緒にフライトをすることは貴重な財産になることでしょう。

個人的には、一昨日の感覚がまだ残っていたために、ついついプライムクルーのつもりで出しゃばりそうになるのを我慢するのが大変でした。
船頭多くして船山に上ると言いますが、メンバー1人1人が中心になって動いていたのでは、チームとしてのパフォーマンスを却って妨げることにもなるでしょう。
プライムクルーが仕事をしやすいように陰に陽に立ち回るのが、結果的にチームとして最善の働きが出来るように感じました。

午後はアラバマ州ハンツヴィルにある、NASAのマーシャル宇宙飛行センターから出張で来ている、宇宙実験の管制チームとのブリーフィングが行われました。
メンバーの紹介から、管制チームの構成、実験運用の流れなどについて説明を受けました。

ジョンソン宇宙センターの管制チームとは、よく顔を合わせる機会もありますが、実験の運用チームとは今回初めて顔を合わせたので、その後の懇親会も含めて非常に有意義でした。
やっぱり、無線で交信しながら仕事すると言っても、話している相手の顔が思い浮かぶのとそうでないのとでは、全然違う気がします。

説明が前後しましたが、お昼には訓練施設で恒例のケーキカットセレモニーがありました。
これは、各長期滞在クルーがヒューストンでの訓練を終えるときに行われるもので、施設の管理チーム、インストラクターチームに訓練に対するお礼を言う機会です。
簡単なスピーチの後、皆でケーキを食べます。

セレモニーには、これまでお世話になった多くのインストラクターが集まってくれ、とても嬉しかったです。
と同時に、彼らと共に頑張って来た訓練がもうすぐ終わってしまうのだという、一抹の寂しさも感じました。
とは言え、ずっと訓練が続くのも嫌ですけどね(笑)
終わりが見えてきたからこそ感じる感情なのかも知れません。

セレモニーの主役のケーキには、第48次と第49次のミッションパッチが見事に描かれていました。



 
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