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2016年3月 3日
今朝、ジョンソン宇宙センターの宇宙飛行士室に出社して、自分の机がある部屋に向かっていると、油井さんの机がある部屋の入り口になんと!
昨日ISSから帰還したばかりのスコット・ケリー飛行士が立っていました。
・・・いや、もちろん本人なわけはないのですが。
当のスコットは、私がいまこれを書いているこの瞬間も、まだヒューストンに向かう飛行機の中です。
ISS長期滞在に向かう飛行士は、等身大のパネルを製作してもらえるのですが、誰かがそれを彼の部屋の入り口に設置していったようです。
元はこのパネル、飛行士が不在にしている間も子供が寂しがらずに済むようにと、家族に配られたという話を聞いたことがありますが、今は少し違う使われ方をしているのかもしれません。
先日日本に帰国していた間に、JAXAの東京事務所の受付前で、油井さんの等身大パネルを見かけましたし。
それにしても、一瞬本人がいるのかとドキッとするくらい良く出来ていました。
さてさて。
今日は、午前中にISSの生命維持システムに関するアップデートやNASAのリードフライトディレクタ―とインクリメントマネージャーとの打ち合わせ、ジョンソン宇宙センター所長のエレン・オチョア飛行士との面会が。
午後は、判断力を測るWinSCATテストの飛行前データ取りの最終回や、ARED(エイレッド)と呼ばれる運動機器を使用した体力訓練がありました。
WinSCATについては、こちら。
大西宇宙飛行士Google+日記(2015年3月3日)
AREDについては、こちらをご参照ください。
大西宇宙飛行士Google+日記(2015年3月4日)
ISSのシステムは、常に進化し続けているので、私たちが最初に訓練で習った内容が異なっていたり、新しい機器が増えたりしています。
そのため、定期的に各システムのインストラクターから、それぞれのシステムの最近の変更点を教えてもらう時間がスケジュールされます。
これは復習にも役立ちますし、とても良い訓練システムだなと思っています。
今日のトピックは生命維持システムに関する変更点でしたが、ここ数週間の間に新しい機器が導入されていました。
ご存知の通り、現在ISSでは水を尿などからリサイクルして飲料水を作っていますが、その尿処理装置と水再生装置は非常に複雑で、そのため割と頻繁に故障します。
また、定期的なメンテナンスが欠かせません。
ISSの運用で欠かせない概念として、「クルータイム」というのがあるのですが、これは飛行士が作業をした時間のことです。
地上の管制チームのゴールは、いかにクルータイムを少なくして高い成果を上げるか、ということになるのですが、この尿処理・水再生装置にはこれまで多くのクルータイムが割かれてきました。
逆に言うと、それだけ重要なシステムということになるのですが。
今回新しく導入された機器によって、この装置の定期メンテナンスの作業がかなり楽になり、クルータイムの削減が見込めるそうです。
今日の訓練では、この新しい機器を使用して定期メンテナンス作業を実施しましたが、古い手順ではタンクをラックから取り出したりする必要があったのが、新しい手順では、タンクはそのままでその中身だけを吸い出すことが出来るようになっていました。
しっかりと計ってはいませんが、タスクの所要時間は従来の3分の2くらいに減ったのではないでしょうか。
ISSが常に進化し続けているのを実感しました。
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