2015年7月 2日

今日の午前中の空き時間に、ISSに持っていくランニングシューズを選びに、NASAから指定された近所のお店に行ってきました。
ランニング、走ることに特化されたお店です。
中に入ってみると、確かに数多くのランニングシューズとランニングウエアが並べられていて、それ以外のスポーツ用品は売られていません。

私は走るのが苦手なので、ランニングシューズにも特段のこだわりがなく、アウトレットのスポーツ用品店に行って、適当に試着してみて良いなと思ったものの中で一番安いものを買う、というのが関の山なので、こういう用事でもなければ、絶対自分では入らないお店だなあと思ってしまいました。

すぐに店員の1人がこちらに気付いて下さり、声をかけてくれました。
これこれこういう事情で、自分に合うランニングシューズを探していると伝えると、

「じゃあ、靴を脱いでちょっと歩いてみてください」

と言うので、言われたとおりに5mちょっとの距離をその店員さんに向かって歩いていきました。
店員さんはしゃがみこんだ姿勢で、真剣な表情で私の足元を凝視していて、次にズボンの裾を持ち上げた状態でもう1度歩いてください、と言うのでこれまた言われたとおりにしました。
そのあと、足の大きさと横幅を測って、

「ちょっと待っていて。いくつかシューズをピックしてくるよ」

と言って奥へ下がったかと思うと、すぐに倉庫の方から5種類のランニングシューズの箱を持って戻ってきました。
まずは片足ずつ別の靴を履いて、2種類の靴を履き比べです。
左右どちらの靴も、なかなか良い感じです。
試しに歩いてみても、とても歩きやすいです。

迷った挙句右の靴をセレクトし、左の靴だけ次の靴に履き替えてまた履き比べ、というのを繰り返します。
基本的にはどれも履き心地は良かったのですが、僅差で最初に右に履いた靴に軍配が上がりました。
最後にそのモデルを両足に履いてみて、違和感がないかを確認して、その靴をISSへ持って行くことに決めました。

ふと、途中から気になったことを聞いてみました。

「ちなみにどういう基準で、この5種類の靴を選んできたの？」

「さっき歩いてもらった時に見ていたら、左足がかかとの内側の方にぐらついていたので、その部分にサポートが入ってる靴を選んできたんだ。これで安定感が増すと思うよ」

とのこと。
これには正直言って驚かされました。

39年生きてきて、自分の歩き方の特徴を指摘されたのは初めてです。
もちろん、自覚などありませんでした。

それでも、どの靴も確かにとても歩きやすくて、履き心地も快適だっだということは、多分彼の言うことが正しいのでしょう。

いやー、その道のプロというのは本当にすごいですね。

今日は午後にあった訓練の話をしようかと思っていたのですが、余りにもその靴選びが衝撃的だったので、その話で終わってしまいましたね（笑）
明日はいよいよ、ISSの緊急事態への対処法に関する試験です。