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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年5月24日

(出展:JAXA)

今日の午前中、ソユーズとISSロシア区画に関する2つの口頭試験があり、どちらも無事に合格しました。
クルー3人で臨むので、非常に心強かったですね。
これで、残る試験は木曜日のISSロシア区画の最終試験と、金曜日のソユーズ最終試験の2つになります。
いよいよ大詰めです。

試験の後は、ソユーズの帰還モジュール(カプセル)内の搭載品に関するブリーフィングと、座席の取り扱いに関する復習が行われました。

ソユーズのカプセルは最後はパラシュートで降下してきますが、着陸後、風が強くてカプセルが転がされるような状況では、パラシュートを切り離せるようになっています。

そのボタンが、コマンダーの席の足元の方に付いているのですが、これが結構アクセスしづらいのです。

実際に過去に、着陸後にカプセルが100m近く引きずられたことがあったのですが、そういった場合にすぐにパラシュートを切り離せるように、3人でそのボタンの位置を確認しました。
アナトーリの席についていますが、恐らく右席に座るケイトの方がそのボタンにアクセスし易いだろうということで、実際に押す必要が出てくれば、それはケイトの役割になるでしょう。

狭いカプセル内には、帰還時には所狭しと物を詰めます。
例えば実験のサンプルを持ち帰るためだったり、故障して修理が必要な部品だったり。
その為に、文字通りありとあらゆる場所を利用します。
ISSへ行くときには手順書を収納していた箱も、帰還時には大半の手順書が必要なくなるので、他の用途に使用されます。

カプセル内で一番大きな収納ボックスは、私たちの座席の下に収納されています。
当然、それにアクセスする為には、中央の座席を持ち上げてやらなければなりません。
そのやり方も練習しました。

まずその第1ステップとして、足置きプレートを折り畳む必要があるのですが、それには2本のネジを緩めなければなりません。

インストラクター「このネジを緩めるためのドライバーは、今はISSロシア区画の工具箱に入っているのでそれを使えば大丈夫だ」

私たち「ふむふむ」

インストラクター「以前は、そのドライバーはこの収納ボックスの中に入っていた。だから、ドライバーはアメリカ区画から借りてくる必要があった」

_(┐「ε:)_ズコー

これには爆笑してしまいました。

収納ボックスにアクセスする為にはドライバーが必要で、そのドライバーはその収納ボックスの中に入っている。

何かのとんち問題のようです(;´∀`)

今はその状況が改善されたようで、一安心です。


皆で夕食を食べた後は、ケイトとトマとペギーと私で、ソユーズの最終試験対策の勉強会を行いました。
手順書を頭から流して、注意点やコツなどを話し合っているうちに、2時間半も経ってしまいました。
本当は、不具合対処法についても全員で話し合うつもりだったのですが、とても今日は時間がなくなってしまい、それは明日に持ち越しです。
でも、クルーが違うと、やり方や気を付けている点などが少しずつ違っていて、とても参考になりました。
トマと私は、やはり同じ民間旅客機のパイロットということで、思考法ややり方に似通った部分があるのか、全く同じメモを同じ箇所に書いていたりして、これには2人で笑ってしまいました。

着々と、最終試験に向けて準備が整いつつあります。



 
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