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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年3月18日

(出典:JAXA)

今日も天気は快晴、気温は日中8℃まで上昇しました。
というわけで、チャリ通再開です。
雪を踏みしめて徒歩で通うのも良いものですが、自転車の爽快感も良いものです。
何より、いつもより朝の時間が5分増えるのはありがたいですね。
まあ、とは言ってもその分遅く起きるだけのことですが。

午前中は明日のソユーズシミュレーション訓練の事前ブリーフィングと、ISSの安全に関する説明(例えばISSでの生活がどんな危険性をはらんでいるか、など)、午後はISSロシア区画の急減圧への対応手順の確認、手動操縦によるソユーズの降下訓練がありました。

急減圧の対応手順は、基本的に以前ご紹介したアメリカ区画での対応と変わりありません。
まずは自分たちのソユーズの安全性を確認したあと、どこのモジュールから空気が漏れているかの「犯人探し」です。
ユニークなのは、ロシア区画ではモジュール間のハッチ毎に気流を感知するセンサーが取り付けてあることです。
このセンサーは、ハッチのどちら側からどちら側へ空気が流れているかを感知することができます。
仮にモジュールAで空気漏れが発生しているとすると、ISS内の空気は一様にそのモジュールに向かって流れていくことになるので、専用のプログラムが各ハッチの気流センサーからのデータをまとめて分析して、コンピューターの画面上に「犯人はA」という情報を表示してくれる、というわけです。

まあ、訓練ではこの気流センサーが活躍してくれることはあまりありません。
理由は、訓練として簡単すぎるからです。
冒頭で犯人がわかってしまう推理小説と同じです。
従って大抵の場合、コンピューターの画面を確認すると、「解答不能」になっているので、そこから私たちクルーが各ハッチを閉めながらその都度圧力の変化を確認して、犯人探しを行うことになります。

実際、この気流センサーが解答を示してくれない可能性は十分にあって、例えばどこかで気流が乱れて一様な流れが作られてなかったり、例えばクルーが動くことによって人工的に気流が作り出され、それをセンサーが感知してしまうこともあり得ます。
センサーが仕事をしてくれればベスト、そうでないケースに備えて訓練をする、ということですね。

今日の授業では、手順書を机の上で読み進めながら、検討を行いました。
手順の分岐点に差し掛かるごとに、インストラクターが状況を与えて、私がその状況に適した選択肢を選んで先へ進んでいく、という繰り返しです。
ここでこのハッチを閉めないのはなぜか、といった疑問もその都度インストラクターにぶつけてクリアにしていきます、
個人的な考えですが、「なぜそうするのか」というのを理解することは非常に大切だと思っています。
手順の意味がわかっていれば、ミスをする可能性を減らすことができるからです。
自分が間違った手順を踏んでしまったときに、「あれ、何かおかしいな。どうしてここでこんな操作をするんだろう」と疑問に思うことができれば、自分の間違いにも気付きやすくなるでしょう。



 
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