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2016年2月11日
ソユーズは古いデザインをベースにしつつ、少しずつ改良に改良を重ねて現在に至ります。
ロシア人の、十分に実績のある古い技術は残したまま新しい技術を追加して徐々に乗り換えていくやり方は、見習うべきところが多いです。
そんなソユーズですが、最近紙の手順書に変わってタブレット端末が登場しました。,br />
まだ試用の段階を出ず、しばらくは紙と併用していくことになりますが、PC系の機械に目がないアナトーリ、専用のタブレットを支給されて嬉しそうです。
今のところはロシア人クルー限定の試用ですが、正直に言うと私は手順書に限ってはアナログ好きな人間で、タブレットよりは紙の手順書の方が安心できるのでかえって良かったです。
タブレットにはタブレットの、紙には紙の良さがありますよね。
昨日のシミュレーション訓練から、このタブレットを使用して訓練に臨んでいるアナトーリ。
うまく使いこなすための試行錯誤を続けているようで、今日の訓練はソコル宇宙服を着用しなかったのですが、彼は操作感に慣れるために敢えてグローブだけはめていました。
さて、今日のシミュレーション訓練ですが、ISSからアンドッキング(離脱)して軌道離脱噴射を行って地球に帰還する部分をシミュレートしました。
もう何度も繰り返し練習してきた手順ですが、それでも毎回新しい発見があるので驚きです。
今日は2つも、これまで考えたこともなかったことを知ることが出来ました。
1つ目は、ソユーズのシステムに関する余りにもマニアックな部分なので、ここでは書きませんが。
2つ目は、ソユーズが大気圏突入前にモジュールを分離するときのポイントです。
ご存知の通り、ソユーズ宇宙船は「だんご3兄弟」のような形をしていますが、大気圏突入前にそれぞれの団子が切り離され(セパレーションと呼びます)、私たちが乗っている真ん中の団子だけが地球に帰還し、他の2つは大気圏で燃え尽きます。
この切り離しの際、ただやみくもに切り離したのでは、そのあとに大気圏に突入する時に、団子同士がぶつかってしまう可能性があります。
もちろんとても低い可能性ですが、ぶつかってしまうと危険です。
そこで、安全な切り離しのために最適な宇宙船の姿勢というのがあります。
大体これくらいの姿勢なら、切り離された団子同士がぶつかることなく大気圏突入するでしょうという姿勢です。
その姿勢を確立するための手順が当然手順書には書かれています。
ところが。
エンジンが壊れたり、メインコンピューターが壊れたりといった、数々の分岐がある手順書の中で、ある特定の分岐を進んでいくとその手順が抜けてしまうパターンがあるのです。
今日はまってしまったのは、そのパターンでした。
まあ手順書の不具合と言ってしまえばそれまでなのですが、やはりクルーとしては手順書に書かれていなくても、しっかりとそこをチェックして気付かなければいけませんでしたね。
反省です。
何回も団子団子と書いていると、もうお団子にしか見えなくなってきた・・・
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