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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年6月10日

今日は引き続きコロンバスモジュールのシステムに関する訓練と、実験用ラックの概要に関する説明がありました。

システムでは通信システム、環境制御システム、熱制御システムについて学びました。

「きぼう」と同様、コロンバスも多くのシステムでアメリカモジュールからのサポートを受けています。
昨日ご紹介しましたが、アメリカモジュールで発電した電力を受け取っているのと同じように、地上との音声通信システムはアメリカのものを使用しています。

また環境制御システムに関しても、コロンバスのシステムが担当しているのは空気の循環に関わる部分で、例えば空気の成分を分析したり、二酸化炭素を除去したり、酸素を供給したりといった生命維持の観点から重要な要素に関しては全てアメリカモジュールのシステムに頼っています。

熱制御に関しても、コロンバス内で発生する熱を回収して回るのはコロンバスのシステムの役目ですが、それをISS船外に放出するのはアメリカの熱制御システムの担当です。

「露点」という言葉をご存知でしょうか?
これは、空気中の水蒸気が飽和する温度のことを言います。
別の言い方をすれば、露点というのは空気の相対湿度が100%に達する温度です。
私たちが一般に「湿度が高い」というときはこの相対湿度が高いことを指しています。
空気の温度が露点よりも高ければ、湿度は100%を超えずに、空気中の水分は全て水蒸気となって空気中に溶け込んでいます。
温度が露点よりも低くなると、水蒸気はそれ以上空気中に溶けていられず、凝縮して水滴に変わります。

モジュールの熱制御において、この露点が非常に重要になってきます。
というのは、機械が水分を嫌うからです。
無重力で空気中に水滴が浮遊するのは、機械にとって何としても避けなければなりません。
機械自体の故障に繋がることはもちろん、私たち宇宙飛行士の安全にとっても好ましいことではないからです。

人間は常に水分を外に放出し続けるので(呼吸や汗によります)、放っておくとモジュールの湿度は上がっていく一方です。
そこで、地上でいうところのエアコンの役割の装置が空気を除湿します。
これは空気を露点以下まで冷却して水分を凝縮させ、その空気を水分離機にかけて水分だけを取り除くやり方です。
水分を取り除かれて、湿度の下がった空気はモジュール内に戻されます。
この空気を冷却するのが熱制御システムの仕事です。

アメリカモジュールはもちろん、コロンバスも「きぼう」もそれぞれ独自にこのエアコンに相当する装置を持ち、船内温度の調節と同時に除湿を行っています。



 
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