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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年9月 1日

今日も1日盛り沢山でした。
今週は多くの医学検査やISSで行う医学実験の基礎データ取得が予定されています。

まず、朝起きて家である実験の基礎データ取得を行いました。
これはFine Motor Skills(ファインモータースキルズ)という実験で、長期滞在中に人間の手先の器用さ・精密な操作性がどのように変化するかを調べる実験です。
それを知ることにより、これからのISS計画だけでなく、将来の宇宙探査計画において、タスクをより確実に実施できるような手順の作成、プランニングに生かそうというものです。
ミッションを成功に導くには、まずそれを実行する人間の宇宙空間における特性の変化を理解しておくことが大切、というわけです。

実験にはタブレット端末にインストールされた専用アプリを使用します。
手先の器用さ、正確さ、敏捷性などが要求される何種類かのタスクを画面上でこなしていきます。
自分の指先で行うパターンと、ペンを使用して行うパターンの2つがあります。
例えば、画面に描かれた円や四角形を、なるべく正確に、かつ迅速になぞっていくタスクや、円形に配置された無数のボックスを一定のパターンに従って順番にタッチしていくタスクなどがあります。
テスト自体は10分ほどで終わりますが、しっかりとしたデータを取得するためには、毎回毎回自分のベストを尽くして臨む必要があります。
そうしなければ、データとしての有効性が失われ、実験の価値がなくなってしまうからです。

今朝が2回目のデータ取得でしたが、あと2週間で残り3回行います。
この全5回の成績を平均して、私の地上での手先の器用さを点数化するのでしょう。
あとはISS長期滞在中に何度か同様のテストを繰り返し、その結果を今回の基礎データと比較していくことになります。
実験の結果は私自身とても興味があるので、ぜひ地上に帰還後教えてもらいたいと思います。
普通に考えれば、慣れない環境の変化や長期滞在という特殊なストレス要因によって、パフォーマンスが下がりそうな気がしますが、もしかすると全く別の結果が出てくるかもしれませんね。

午後には2回目となる採血の練習がありました。
前回までのあらすじは、下記のリンク先をご参照ください。
今回も悪戦苦闘です。
大西宇宙飛行士Google+日記(2015年5月30日)

まずは自分自身の採血をしましたが、すんなりといった前回とは異なり、今回は最初に刺した針がほかの道具を取ろうとした拍子に抜けかかり、針を刺してあるところから鮮血が滴り落ちました。
針を刺したら、まずそれをテープで固定してやるのが大切です。
自分の血を見て焦ってしまい、汗が噴き出しました。
一旦針を抜いて、血が出たところを絆創膏で止血して、今度は腕を変えて右腕で再トライです。
インストラクターによると、自分の利き腕から採血するのは難易度が上がり、出来ない人もいるということでしたが・・・

針には当然のことながらキャップがついていて、使用する前にそれを外さなければならないわけですが、左手に針の方を持ち、右手で慎重にキャップを外そうとしたところ、なんとキャップが外れた拍子に自分の右手をそのままプスッ!!
またもや血が出て、本日2枚目の絆創膏。
それにしても解せません。
自分を刺さないように注意深く、キャップを抜く方向には何もないところで抜いたはずなのですが。
どういう理屈で、そのあと自分を刺してしまうのでしょうか??
不思議に思ってインストラクターに聞いてみると、何かが勢いよく外れたとき、人間にはその手が元の位置に戻ろうとする本能があるらしいです。
私の場合、キャップが抜けた針がその反動で左に動いた後、右手の方へリバウンドしてその時に刺さったようです。
なるほど。。。

1度皮膚に触れた針は、もう使用できないので、針を替えてもう1度。
今度はゆっくりとねじる様にしてキャップを外し、左手で針を持って利き腕の右手から採血を無事に終えました。
3枚目の絆創膏を使用して、自分からの採血終了。
インストラクターが「利き腕から上手に採血できたわね」とフォローしてくれましたが、その時点でもう十分、凹んでしまいました。。。

リクエスト次第で打ち上げ前にもう1度、採血の練習をさせてもらえるということなので、もちろんリクエストです。
次こそ、これまでの教訓を生かして、しっかりとやりたいですね。
こうやってGoogle+に書き留めておくことで、あとで読み返したときに自分自身の良い復習になるのでありがたいです!



 
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