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2015年10月24日
来週頭にロシアに移動ということで、今日は英語とロシア語の訓練のみです。
残りの時間は溜め込んでいた事務作業を少しこなしました。
そうです、いよいよバックアップクルーとしての任務が近付いてきました!
11月にソユーズとISSのロシア区画に関する諸々の試験を受け、月末にバイコヌールへ移動、12月15日に予定されているソユーズTMA-19Mの打ち上げに向けて準備を進めることになります。
ちなみに、「バックアップクルーとは何ぞや?」という方が多いと思うので少し補足しておきますと、本来のクルーのことをプライムクルー(Prime Crew)と呼びます。
それに対し万が一、プライムクルーが健康上の理由その他でフライトが出来なくなった場合に備え、必ずバックアップクルー(Backup Crew)がいます。
バックアップクルーは約半年後に打ち上がる予定のクルーが務めるので、今回の場合は私たちのクルーがそれに該当するというわけです。
そして半年後には、自分たちがプライムクルーとして打ち上げに臨むことになります。
ところで今日は別の話題を。
昨年の12月3日に打ち上げられた「はやぶさ2」ですが、1年経って太陽の周りを1周して、スイングバイによって小惑星へ向けた軌道に乗せるという運用が近付いてきました。
先日行われた記者会見の模様を観ましたが、地球を使ったスイングバイや「はやぶさ2」の位置を測定する技術など、非常に興味深い内容でした。
難しい話も多いですが、動画のリンクをご紹介したいと思います。
スイングバイというのは、地球の引力を利用して探査機の針路を変更し、さらに加速させるというものです。
もちろん、ふんだんに燃料を使えれば最初から直接小惑星に向かう軌道に投入することも可能なのですが、このスイングバイを利用することによって必要な燃料を減らすことが出来るので、その分探査機を小型化でき、製作や打ち上げコストの低下が期待できます。
私はスイングバイという概念は知っていましたが、どういう原理で探査機のスピードが増速されるかというのはよくわかっていませんでした。
今回の記者会見での説明が非常にわかりやすく、勉強になりました。
何より面白かったです。
また最新の技術を用いた軌道決定精度が、位置で180m、速度で0.9mm/sというのも衝撃でした。
太陽系に対して秒速30kmという猛スピードで飛行している探査機ですからね。
人間の技術の進歩というのは、改めてものすごいなと思います。
ところで、記者会見に登場している現はやぶさ2プロジェクトマネージャーの津田雄一君は、私の学生時代の友人です。
同じ東京大学航空宇宙工学科で学び、そして私が学生時代に打ち込んだ人力飛行機を製作するサークル活動も共にした仲間です。
私は飛行機の設計はさっぱりついていけませんでしたので、専ら機体の製作に取り組んでいましたが、彼は設計の段階から携わり、製作にあたっても駆動系の製作の中心となって働くなど、当時から只者ではない男でした。
はやぶさ2プロジェクト、応援しています!
それでは皆さん、どうぞ良い週末を♪
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