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2015年2月28日
今日は午前中にISSのシステム訓練とロシア語、午後はT-38ジェット練習機による飛行訓練がありました。
最近はロシアでの訓練が続いたり、ヒューストンにいても他の訓練で忙しかった関係で、T-38に乗るのは実に2ヶ月以上ぶりです。
T-38は50年以上前から使用されている、多くのアメリカ空軍パイロットを育ててきた練習機です。
50年前というと私が生まれるずっと前ですし、まだ世の中はようやくカラーテレビ放送が始まった頃です。
そんな古い機体が・・・、と思われるかもしれませんが、実際にはその後何度も改修を重ねて現在に至っています。
NASAで使用されているT-38は独自モデルで、コックピット内はハイテク化されていて、速度計や高度計は1つのディスプレイに集約されていますし、GPSも搭載されています。
エンジンは胴体の両脇に左右1つずつついていて、写真を観てお分かりになる通り2人乗りの仕様になっています。
私たちの訓練では、前席にアメリカ人のパイロット宇宙飛行士かフライト教官が乗り、パイロットでない宇宙飛行士や私のようにアメリカ人でない宇宙飛行士は、後席に乗ります。
後席からは前方の視界が悪いので、離着陸の操作は行えませんが、それ以外の部分では飛行機の姿勢を示す計器を使って飛行機を操縦することも可能です。
訓練はヒューストンのエリントン飛行場から出発して実施されますが、1回のフライトでそのままエリントンに帰ってくるLocal(ローカル)と呼ばれる飛行と、どこか他の空港で一旦給油しエリントンに戻ってくるOut & Back(アウト&バック)と呼ばれる飛行の2種類があります。
今日はLocal飛行でしたので、エリントンを出発した後、東に230kmほど飛んだところにあるレイクチャールズと呼ばれる町の空港で計器進入の練習を2本行い、その後エリントンまで戻ってもう1本計器進入を実施しました。
飛行時間は1時間8分。
計器進入というのは、目視に頼らず計器の情報だけを頼りに飛行機を操縦して着陸寸前のところまで飛行機をもっていくことです。
飛行中は、操縦と無線交信、システム機器の操作を全て自分で行います。
前席のパイロットと作業を分担しても良いのですが、さすがに私は一応前職はプロのパイロットでしたので、それでは訓練としての負荷が物足りないからです。
2ヶ月ぶりのフライトは、楽しいの一言でした!
飛行機を操縦していると、「やっぱり自分はパイロットなんだなあ」と思います。
ソユーズ宇宙船の操縦とはまた違った面白さがあります。
忙しかった1週間の締めくくりとしては最高の訓練でした。
それでは、皆さんどうぞ良い週末を♪
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