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2015年3月26日
今日の午前中は4時間のISSロシア区画の緊急事態対処訓練がありました。
火災と急減圧を想定したシナリオを与えられる実習になります。
シナリオは事前に内容を教えてくれるわけではありませんので、大抵最初に緊急事態の発生を知らせる警報が鳴り響いて、その警報内容を分析するところから始まります。
何が起こっているかを理解したら、次はそれに応じた対応を手順書に基づいて実施していきます。
サービスモジュール内の火災探知機の1つが火災を探知した、というシナリオでは、その探知機がどこにあるかを調べ、その場所のパネルを外して実際の火災を確認したあと、消火器を使用します。
さらに、消火が終わった後も後処理が待っています。
大抵の場合、緊急警報と同時に色々なシステム機器が自動的にシャットダウンされるようにプログラミングされているので、それらを立ち上げ直したり、煙で汚染された空気を正常化するためにフィルターを設置したり、といった後処理です。
中には、火災探知機の誤作動といったシナリオもあります。
サービスモジュールの火災探知機は実際は煙探知機で、空気中のレーザーの透過率で煙の有る無しを判断しています。
例えばその近くで宇宙飛行士が作業をしている時など、何らかの拍子に周囲のホコリが巻き上げられると、それらが探知機によって検知され、誤警報を鳴らすことは実施にも何度か発生しています。
そういった場合は、空気の正常性をセンサーで確認した後、シャットダウンした機器の復旧を行います。
とにかくシナリオの間、ロシア区画の各モジュールを行ったり来たりする必要があるのですが、モジュール間のハッチはアメリカ区画のそれよりも小さくて、80cmとか100cmの直径しかないので、地上で普通に重力がある環境下では、ハッチをくぐるのも一苦労です。
あっちへ行ってはシステムの機器を操作し、こっちへ行ってはハッチを閉め、またあっちへ戻ってこのバルブを閉めというのを4時間やっていると結構疲れました。
それもそのはず。
本当なら3人とか6人のクルーでやることを、私1人で今日はやっているので、道理で忙しいはずです!
いずれ、クルー全体での訓練が始まりますが、その時は分業できる部分は分業して、今日よりももっと効率的に対応したいですね。
ただ、人数が増える分、意思疎通や情報の共有など、1人のときとはまた違った難しさが出てくることでしょう。
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