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2016年5月 5日
4連休を挟んで、今日から5月の訓練が始まりました!
月末の27日に控えているソユーズの最終試験を含め、6つの試験が待ち受けています。
今日は午前中に、ソユーズのアナログ制御ループのシミュレーター実習、午後は手動降下と手動ドッキングの訓練がありました。
シミュレーター実習の目的は、MS型機固有の操作の確認と、重要なポイントの復習です。
アナログ制御ループの教官は、私が心の中で勝手に「マスターヨーダ」と呼んで敬愛してやまない、ヴィクトールさん。
先日ご紹介したデジタル制御ループのユーリ先生と合わせて、「星の街の双璧」と言っても過言ではないと思います。
アナログ制御ループというのは、ソユーズのモーションコントロールシステムのうち、アナログ機器だけで構成される系統を言います。
デジタル制御ループに主役の座を取って代わられた今でも、バックアップ系統として依然として装備されています。
例えていうなら、普段はCDをメインに聴くけど、CDプレーヤーが壊れたときのためにレコードも持ってます、ということです。
モーションコントロールシステムというのは、以前ソユーズという宇宙船にとっての生命維持システムだと書きましたが、その究極の目的はエンジン噴射のための姿勢を整えて、エンジンを噴射して地球に還ってくることです。
より具体的に言うと、ソユーズのメインエンジンが宇宙船の進行方向に向くように姿勢を維持し、所定の時間エンジンを噴いてやると、速度が落ちて軌道が変わり、宇宙船を大気圏に突入させることが出来ます。
この姿勢を作るには、手動でやるやり方と自動でやるやり方があるのですが、手動の方は潜望鏡のようなシステムを使って外を見ながら行います。
自動では、赤外線地球センサーを使用します。
詳しい説明は省きますが、アナログ信号だけでこの姿勢を制御するのは本当によくできてるなといつも感心してしまいます。
今日の実習では、まずヴィクトール教官と新しい手順書の中でアナログ制御ループに関連する箇所を確認し、そのあとシミュレーターに乗り込んで以下のモードを実際に練習しました。
・ソーラースピンの確立
・手動によるエンジン噴射の姿勢の確立
・アナログモードでの軌道離脱噴射
・準備中にデジタルモードが故障して、アナログモードに切り替えて軌道離脱噴射
・軌道離脱噴射の途中でデジタルモードが故障し、アナログモードで噴射を完了
アナログ制御はデジタル制御ほど精密なコントロールは出来ませんが、その分機器がシンプルで、信頼性は高いと言えるでしょう。
デジタル制御ループ自体にもバックアップ系統が備わっているので、完全に故障する確率は相当に低いのですが、万が一そうなっても最後はアナログ制御ループに頼ることが出来るというのは、非常に心強いです。
明日はユーリ先生とのデジタル制御ループのシミュレーター実習があります。
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