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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年4月 6日

(出展:JAXA)

今日は終日ESAの実験関連の訓練がありました。

まずはSODI(ソディ)と呼ばれる材料実験です。
2種類以上の液体が混ざり合う時、重力がなければ均一に混ざり合おうとする性質がありますが、そこに温度勾配が加わると、液体の特性に応じて偏りが生じることが知られています。
この実験では、3種類の液体が混ざったサンプルを使って、均一に混ざり合った状態から温度勾配によってどのように偏りが生じるかをグローブボックス内で観察します。
(グローブボックスというのは、写真にあるような実験用の装置を言います) 宇宙飛行士の仕事は、実験装置をセットアップして、記録ディスクを交換したり、サンプルを取り出したりという物理的な作業で、実験自体は地上が遠隔操作で実施します。

こういった、地上では重力に隠れて上手く観察できない現象を調べることで、地上の技術をより高品質化しようというのが宇宙での材料実験の基本的な考え方です。
この実験で得られる知見は、油田の採掘などに役立てることが期待されているそうです。
原油が溜まりやすい(偏って存在する)箇所をあらかじめ推定できれば、より効率的に採掘することが出来ますね。

他に、ISS船内の放射線環境を調べる実験について、計測装置の使用法などを学びました。
船内は放射線による被ばく量が均一というわけではなく、最大で4割程度の強弱があるそうです。
また、ISSの軌道によっても常時変動しています。
具体的には、赤道付近を飛んでいる時は少なく、極に近付くほど多くなります。

もう一つ興味深かったのは、水の浄化法に関する実験です。
この実験では、水だけを通す膜で作った管を使います。
管の外側には食塩水、管の内側には浄化する元になる水が流れるようになっています。
濃度の薄い方から濃い方に液体が移動する「浸透」という現象によって、水だけが管の内側から外側に移動します。
移動に伴い、外側の食塩水はどんどん濃度が薄くなっていきますが、そこから塩分を取り除いてやると、綺麗な水が得られるという寸法です。
どうやって塩分を取り除くのかはわかりませんが(;・∀・)
この浄化法自体は地上でも実現できるのですが、この実験ではこの方法が微小重力下でどれだけ効率良く働くかを調べて、水再生装置のフィルター技術に生かそうというのが目的です。

今日は理系の話ばかりになってしまいましたね。



 
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