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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年12月13日

秋山飛行士の樹(出展:JAXA)

その1

12月12日 L-3 days

今日は打ち上げ前、最後の休日です。

バイコヌールに来て、はや2週間近く経ちますが、今日やっと綺麗に晴れました(^^)

というわけで、敷地内を気持ちよく散歩してきました。
目的は、これまでの日本人宇宙飛行士が植えた樹を全て見つけること。

いえ、見つけたところでどうなるものでもないのですが(;´Д`)

真ん中に一本走っている道の両側には、ガガーリンを始めとする名だたる飛行士が植えた見事な樹が並んでいます。
突き当りまで行くとそこにソユーズロケットの模型が立っていて、そこから左右に道が伸びているのですが、最近の飛行士が植えた樹はどれもそれらの道の脇に立っています。

中にはしっかりと成長した樹もありますが、中にはどうみてもこれ手入れしなかったでしょ?とツッコミたくなるような樹も沢山あります。
慣習に従って植えるだけ植えて、そのあとのことはあんまり気にしてないようです( ゚ε゚;)
それと、ロシア人飛行士の樹がもちろん一番多いのですが、フライト後出世した飛行士のものほど立派な気がするのですが、気のせいでしょうか・・・
こういうところがいかにもロシアっぽくて、私はかなりツボなのですが。

一応、目的だった先輩方の樹は全て発見しました。
1990年にソユーズで宇宙に行った秋山豊寛飛行士の樹が、さすがに一番立派に育っていました。
私もテレビで打ち上げの模様を拝見していましたが、もうあれから25年になるのですね。
月日が経つのは速いものです。

夕方には、モスクワから多くの打ち上げ関係者を乗せたチャーター便が到着し、その中にはプライムクルーの家族も含まれています。
彼らは夕食後、それぞれの家族との面会がセッティングされていました。
これまでのリラックスした静かな感じから、人が増えて少し賑やかになってきました。

明日は朝イチで、ソユーズロケットのロールアウトを見に行きます。
ロールアウトというのは、組み上がったロケットを組み立て場から打ち上げ地点まで運ぶことです。

明日も天気は良さそうです。


歴代宇宙飛行士が植樹した並木道(出展:JAXA)
ガガーリン飛行士の樹(出展:JAXA)

並木道の突き当りに立つソユーズロケット(出展:JAXA)


その2

12月13日 L-2 days

打ち上げ前準備もいよいよ大詰めに差し掛かってきました。
今日は朝早くからバックアップクルーはソユーズロケットのロールアウト(打ち上げ射点への移動)を見学しに行ってきました。
プライムクルーは参加しません。
これは慣習に則ってというのもあるでしょうが、実際この冬の時期に長時間外にいると風邪を引く恐れもありますし、そういったリスクも考慮してのことなのでしょう。
ですので、打ち上げ射点にプライムクルーが行くのは、打ち上げのその時だけです。

まだ夜明け前の凍てつく寒さの中、射点へと続く線路をゆっくりと機関車に押されてロケットが進んでいきます。
本当に、目と鼻の先をロケットが通り過ぎていきます。
先日見た時はまだ全体が組み上がっていませんでしたが、既にフェアリングと下部ステージのエンジン部が結合されて、準備が整っていることがわかります。
とても美しいロケットです。

ロケットを見送ったあと、再びバスに乗り込んで射点へ向かいます。
先回りする形で射点に降り立つと、先ほどのロケットが今まさに到着しようとしているところでした。
これから、ロケットを垂直に立たせる作業が始まります。
大勢の作業員の方々が忙しく立ち動いています。

担当者の方が来て、射点のすぐ下にあるスペースに案内してくれました。
ここからだと、ロケットがちょうど真上に屹立するのを見ることが出来ます。
射点の裏側には大きな溝が掘られていて、打ち上げ時の噴煙がその溝に沿って後方に流れるようになっています。
とても大きな溝で、深さは40m以上あるということでした。
私たちがいるスペースには、多くのケーブルが配置されていて、ひとたびロケットが立つと、これらのケーブルが接続されて電力などを供給するようにできている、と担当者の方が教えて下さいました。

ロケットの立ち上げが始まりました。
思ったより静かに、ロケットが立ち上がっていきます。
最下部から少し上の部分を中心にロケットが回転していきます。
驚いたのは、最下部の部分が射点の構造壁とすれすれのクリアランス(隙間)で潜り込んでくることでした。
壁との間が、本当にわずかしかありません。
それを作業員の方が目視で見守っています。
マジックでも見せられたような手際の良さで、10分とかからずにソユーズロケットが垂直の状態に立ち上げられました。

午後は美容師さんが訓練所に来て下さって、一人ずつ散髪してもらいました。
今回は適度に短くしてもらいましたが、プライムクルーとして来るときは、しばらく髪をカットしなくても済むようにかなり短くすることになると思います。

そのあと、救援救難チームのスタッフとの方々とのブリーフィングがありました。
ISSへのドッキングまでに何らかの不具合が発生して地球に緊急帰還する際や、長期滞在を終えて地球に帰還する際の地上のレスキューチームの配置や手はずについて説明を受けました。
状況に応じて様々な着陸地点が想定されるのですが、それら全ての地点に飛行機や要員、場合によっては船が配備されるのはすごいですね。
今まで知りませんでしたが、日本海にも船が一隻配備されるそうです。
その他、帰還時に大きな衝撃のかかるパラシュートの展開時や耐熱シールドの放出時、地表との接地時に備えるための注意事項について念を押されました。

沢山の方々のサポートを受けて、ソユーズ45Sの打ち上げはいよいよ明後日に迫っています。


(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)
(出展:JAXA)


 
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