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2016年1月 8日
船外活動の訓練や宇宙実験の訓練・データ取りが続いています。
写真は今日の午前中に行った、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の「Straight Ahead」という実験のデータ取りを行っているところです。
Straight Aheadというのは日本語に訳すと「真っすぐ」という意味なのですが、その実験名が示す通り、この実験は人間の空間内における水平・垂直方向を認識する能力について調べる研究です。
私たちが地上で生活している時、水平とか垂直とかいった方向感覚は、視覚や重力に依存しています。
目で物が見える状態の時は、地面がそのまま水平方向になりますし、身体にかかる重力の方向がそのまま垂直方向になります。
宇宙空間では、この重力による情報が得られなくなります。
それによる方向認識能力の低下は、例えば宇宙船の操作やISSで仕事をする上で様々な悪影響を及ぼす恐れがあります。
そこで、無重力状態で長く暮らすことが人間の方向認識能力にどのような影響を及ぼすかを知ろうというのがこの実験の目的です。
宇宙に行く前と、帰って来たすぐ後に、この方向認識能力を調べることで、長期滞在によってどの程度その能力が低下したかを調べることが出来ます。
でも、人間の身体は情報が不足すると、それを補うために他の感覚が研ぎ澄まされたりするので、もしかすると、逆に能力が向上して帰ってくるようなこともあるかもしれませんね!
データ取りでは、写真のような前後左右に傾けることが出来る椅子に座って、色々な状況で自分が「水平・垂直だと思う方向」に視線を動かしたり、指でその方向を示したりしていきます。
色々な状況というのは、視覚と重力が両方使える状況や、目隠しをして重力だけを頼りにする状況などです。
それに加えて、身体を傾けられるので、例えば目隠しをして身体を傾けられると、結構これが難しいのです。
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