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2015年7月30日
今日は半日以上かけて、自分用に作られたソコル宇宙服やソユーズシートなどのフィットチェックが行われました。
そうです!
自分専用ソコルと、初めての対面です。
朝早くから星の街を出て、バスに揺られること約1時間半。
モスクワ郊外にあるズヴェズダ社にある1室で、自分のソコル宇宙服を初めて見ました。
さすがに新品だけあって、これまでに見たどのソコルよりも白く、美しい宇宙服でした。
今回のフィットチェックの目的は、ソコル宇宙服をはじめとする、自分のサイズに合わせて作られた装備品がしっかりと体にフィットするかを確認することです。
何か不具合があればそれをスペシャリストに伝えて修正してもらい、約1週間後にもう1度フィットチェックを行うことになっています。
まずは、下着の着替えです。
長袖のシャツとズボン、それから靴下を渡されてそれに着替えます。
打ち上げや地球に帰還する当日はオムツをはくことになるので、今回のフィットチェックでもお願いしてオムツを着用させてもらいました。
シャツはズボンの中にインするだとか、靴下はズボンの裾の上から履くだとか、細かい指示を受けます。
特に理由は聞きませんでしたが、指示するからにはそれ相応の理由があるのでしょう。
次にソコル宇宙服を着ます。
自分のサイズにぴったり合うように作られているだけあって、これまで訓練で着用してきたものより、多少窮屈に感じました。
ただ、時間の経過と共に慣れてきたのか、途中から窮屈さはほとんど感じなくなりましたが。
宇宙服を着たら、以前自分用に型取りをしたソユーズの座席に座ります。
大西宇宙飛行士Google+日記(2015年1月13日)
座席は着陸時の衝撃から宇宙飛行士を守る大切な役割を持っていますので、宇宙服を着た状態できっちりと自分の体にフィットするか、ホットスポットはないか、などを確認します。
そして、それからなんと2時間も、宇宙服を加圧した状態で座らされました。
これはソユーズ宇宙船の減圧時に、宇宙服を加圧してパンパンに膨らんだ状態で地球に帰還しなければいけないためです。
長時間その状態で座席に座っていられるかのチェックです。
2時間というのは、はっきり言って長いです。
それに加圧された宇宙服はパンパンになっていて、腕を折り曲げたり指で物を掴むのも一苦労なので、ただひたすらじっとしている他ありません。
決して快適な座り心地とは言えませんが、かと言ってどこか体の一部が座席に当たって痛いということもありません。
周りの人たちとヘッドセット越しに話をしたり、物思いにふけったり、眠ったりを繰り返して、じっと時間が過ぎるのを待ちます。
自分専用ソコル、という言葉の響きに触発され、宇宙服を赤色に塗っても面白いな、などと取りとめのない思考が頭をよぎります。
いや、やっぱりここはダースヴェイダーのように黒色が良いかも・・・
そうこうしているうちに、何とか2時間が経ちました。
特に気になる部分はなく、どこも直す必要はなさそうです。
ひざ裏の部分が足の重みで割とプレッシャーがかかって不快なのですが、これはもうそういうものなのでどうしようもありません。
実際の無重力状態では、そういう不快感はないだろうというスペシャリストの言葉でした。
この2時間の苦行が終われば、あとはもうどんどん装備品を試着していきます。
防寒着や防水スーツ、セーター、靴下、ブーツなどを次々に試着していきます。
どれも体にフィットして、良い感じです。
試着後のソコル宇宙服は、中を乾燥させる為にしばらく空気用のチューブを接続して空気を循環させて乾かされます。
最後に、その宇宙服と一緒に記念撮影をして終わりです。
写真にもいくつかコメントを付けておきますので、お時間のある方はそちらもご覧くださいね。
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