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2015年7月 1日
最近よくインストラクターとW杯女子サッカーの話題になります。
日本とアメリカが、決勝で当たるようなことになれば、かなり熱いですね!
今日は朝8時からお昼の1時までぶっ通しで、5時間のRoutine Ops Simがありました。
Routine Ops Simというのは、Routine(日常的な)という名の通り、日常的なタスクを実施するシミュレーション訓練のことです。
シミュレーション訓練というと、次から次に大きな不具合が発生し、停電したり、冷却機能が失われたり、火災が発生したりといった訓練がかつては主流でした。
もちろん、そのようなシミュレーション訓練はいま現在も多くあります。
ただ、実際にISSで行われているのは科学実験であったり、各種のメンテナンス作業だったり、貨物機からの荷物の取り下ろしだったりするわけで、そういったごくありふれた「日常業務」を地上にいる間にシミュレーションする機会はあまりなかったのです。
そこで、このRoutine Ops Simです。
前の2回はケイトと組んで行いましたが、今回はアナトーリも一緒です。
加えて、1つ前のソユーズに搭乗予定で第48次長期滞在のコマンダーであるジェフ・ウィリアムズ飛行士もアドバイザーとして序盤だけ参加してくれました。
シミュレーションは極力リアリティを出すように、モックアップの中にはインストラクターはほとんど入ってきません。
彼らは外のモニターでクルーの行動を見守っています。
また、私たちの会話はマイクで全て拾われて、同様にインストラクターたちが聞いています。
シミュレーションは、地上との朝の定例会議が行われる30分前から始まり、その30分間で自分が実施する作業の内容に目を通します。
また、ケイトやアナトーリと組んで2人で実施するタスクもあるので、そのあたりのタイミングの調整や意識の共有もこの時間に済ませておきます。
地上との定例会議が終わると、あとは各自めいめいのモジュールに散っていって、タスクに取り掛かります。
よく、長期滞在から帰ってきたクルーが、「ISSは意外と広くて、違うモジュールで作業していると全然他のクルーと会わない」と言いますがその通りで、他のモジュールにいるクルーが何をしているのか、なかなか把握するのは難しいです。
今日私が実施したタスクは以下の通りです。
・ドラゴン宇宙船のISSからの離脱に向けた準備(コネクターの取り外しなど。ケイトと一緒に作業)
・船外活動前のメディカルチェックのためのセットアップ
・水再生処理装置のタンク交換(アナトーリと一緒に作業)
・LABモジュールにある作業台の移設
・紛失物の捜索(無重力では、物が非常になくなりやすいです!)
・非常用装備品の在庫チェック、状態チェック
・各モジュールのビデオ撮影(撮影後、地上にダウンリンクします。それを専門家が観て、安全上の懸念がないかどうかをチェックします。例えば、消火器のドアの前に物が置かれていないかなど)
タスクの実施中、小さな不具合は頻繁に発生します。
それらへの対応もしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。
常にスケジュールから少し遅れ気味でタスクをこなしていくストレスやプレッシャーを経験するのも、この訓練の大きな目的の1つでしょう。
私とケイトが「忙しい、忙しい」と言っていると、過去に2度長期滞在を経験しているジェフが、
「典型的なISSの1日だな」
とニヤリ。
あまりの忙しさに、トイレにも行かず、飲み物も飲まずに5時間働きづめでしたが、これはちょっと反省です。
そんな仕事ぶりでは半年という長丁場のミッションのどこかで、疲れによるミスをしでかしそうですし、何か緊急事態が発生しても十分なパフォーマンスを発揮できないかもしれません。
自分の調子を自己管理するのも大切だなあ、とあとで反省しました。
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