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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年3月 4日

(出展:JAXA)

今日も1日盛り沢山でした。
精神心理の先生方との打ち上げ前最後の面談に始まり、私が追加で行う必要のある宇宙実験のインフォームドコンセントブリーフィング、ISSに滞在中のティム&ティム両飛行士とのテレビ会議、ISSのPCネットワーク関連のアップデート事項、長期滞在経験者からの引き継ぎなどなど。

追加になりそうな宇宙実験は2つですが、どちらも興味深かったです。
1つは、ISSを使用した新しい運動機器のテストです。
昨日チラッとご紹介しましたが、現在ISSではARED(エイレッド)と呼ばれる非常に優秀な運動機器が活躍していますが、これはかなりスペースを取る機器です。
将来、ISS以遠を目指した宇宙探査を行う場合、その宇宙船に搭載するのは非現実的と言えるでしょう。
より省スペースで、かつしっかりと運動効果を得られるような、ケーブルを使用するタイプの小型の運動機器が開発され、それをISSで滞在中の飛行士が試用してみようというものです。

2つ目は、最近ISSでホットな話題となっている二酸化炭素濃度についての研究です。
現在ISSでは二酸化炭素除去装置を稼働させて船内の濃度を一定値以下に抑えていますが、それでも地上での濃度と比較すると高めになっています。
実際に宇宙飛行士がどの程度の二酸化炭素濃度に晒されているのかを、携帯型のセンサーで常時計測しようというものです。

どちらの実験も、将来の宇宙開発にとって有益なものだと思うので、迷わずサインをしました。
ただ、サインはしたけれども実際のクルータイムの制約上、実験に参加出来なかったりもするので、実際に私がこれらの研究を担当するかはまだわかりませんが。

その後のISSと結ぶテレビ会議では、バイコヌール以来、久しぶりにティム&ティムコンビ(ティム・コープラ飛行士とティム・ピーク飛行士)と話すことが出来ました。
25分間という短い時間の会議でしたが、実際に軌道上にいるクルーに色々と質問することが出来たのは本当に良かったです。
地上にいる間にやっておいた方が良いことや、軌道上での仕事のやり方、最近の状況など、ためになる情報ばかりです。
何より、2人とも元気そうで安心しました。
バイコヌールで、打ち上げ前の2週間を一緒に過ごしたのが、ついこないだのようです。

1日の締めくくりは、JAXAの宇宙実験の基礎データ取得が行われました。
飛行前に行う2回のデータ取得のうち、今日が2回目になります。
この実験は、「無重力での視力変化等に影響する頭蓋内圧の簡便な評価法の確立」という非常に長い名前がついているのですが、要するに頭蓋骨の中の圧力を推定する簡単な方法を探しましょう、というものです。
この頭蓋内圧が上昇することによって、宇宙飛行士の視力に悪さをすると考えられています。

データ取りでは、ベッドに寝た状態と座った状態の両方で、側頭部に超音波を当てて、脳内の血流速度を測定しました。
超音波が血液に当たって跳ね返ってくるドップラー効果を使用して、速度を測定できるみたいです。
すごいですよね。
他にも、血圧や呼気の二酸化炭素濃度、心電図なども測定するので、写真だけ見ると一体何事かと思いますよね。



 
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