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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年2月19日

船外活動用グローブフィットチェック(出典:JAXA)

今日の午前中はClass 1 Glove Fit check (グローブフィットチェック)、午後はロシア語の授業とミーティング、ISSの緊急事態対処手順のレビューがありました。

グローブというのは船外活動用のグローブ、フィットチェックというのは業界用語になりますが日本語でいう「試着」にあたります。
それからClass 1というのは、それが実際に宇宙で使用されるものであることを示しています。
つまり、実際に宇宙で船外活動を行う時に使用する自分用のグローブの試着を行ってきたということです。
ちなみにClass 3というのもあって、これは訓練で使用されるものを差します。

ISSの長期滞在クルー1人につき、2組のグローブが打ち上げられます。
これは、誰でも船外活動を行う可能性があるということと、万が一プライムのグローブに不具合が発生した場合に備え、バックアップのグローブが必要だからです。

今日は4組のグローブの中から、自分に合うグローブを2組選んできました。

フィットチェックで最も大事なのは、納得のいくまでサイズの微調整を行うことです。
船外活動時はグローブも含めて宇宙服は気圧で膨れるので、物を掴んだり放したりするだけでもどんどん握力を消費していきます。
このため、少しでも自分の手に合ったグローブにする為に、何度も何度もサイズの微調整を繰り返します。
自分の手に合っていないグローブで船外活動を行うのは、ランナーが自分の足に合っていない靴で走るようなものでしょうか。
船外活動服でそれだけ重要なウエイトを占めるのが、このグローブなのです。
納得のいくグローブになるまで、実に2時間半近くかかりました。
辛抱強く付き合ってくださったスタッフの方々に感謝です。

写真に写っている透明なガラス容器はグローブボックスと呼ばれ、中は気圧が低くなっています。
そうして、宇宙空間で作業する時と同じような内外の気圧差を作り出すことによって、正確にフィットチェックが行えるというわけです。

今日試したグローブはもちろんほぼ新品同様なので、少し固めでした。
新しく買った野球のグローブが、使い込んでいくうちに手になじんでくるように、新しい船外活動グローブが適度な柔らかさになるには、適度に使い込んでやる必要があります。

そのため、実際に宇宙に送る前には、このグローブボックスの中でスタッフが2000回!も握ったり放したりを繰り返すそうです。
ずっとやっていると握力がなくなってしまうので、50回とか100回とかで数人で交替しながら行うそうです。
通常はこの2000回を1セット行うのですが、過去にはこれを3セットやってくれと頼んだ飛行士もいたそうです。

6000回・・・・


船外活動用グローブフィットチェック(出展:JAXA)


 
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