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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年2月22日

冬期サバイバル訓練開始前(出典:JAXA)

2月2日

冬期サバイバル訓練、第一日目。

午前中にメディカルチェック、ブリーフィングを受けたあと、午後1時から訓練開始。

まずはカプセル内にソコル宇宙服のまま3人押し込まれ、中で防寒着への着替え。ケイト→私→アナトーリの順に着替え、着替え終わった者からカプセルの外に出る。
防寒着自体には防水性はないので、防水スーツの足の部分だけを切り取ったものをブーツ代わりに履きます。
防水スーツは、ソユーズが海上に不時着した場合に備えて搭載されているもので、この使用法については夏に行われた水上サバイバル訓練で訓練済みです。

その他の非常用装備品をかき集めて、キャンプに適した場所を探しに移動開始。
この時、ソユーズのシートをひっぺがしたものをソリ代わりに荷物を運びます。
キャンプ地の選定には、周囲に倒れそうな木などの危険物がないことなどを考慮します。
場所が決まれば、まずは地ならしから。
地面が露出するまで雪をかいていくのですが、この作業が結構大変でした。
雪をかくと言ってもスコップがあるわけではないので、医薬品ケースの蓋を使ってかきだすのですが、10cm×15cmくらいの大きさしかないので、お風呂の水をコップですくい出すような気の遠くなる作業でした。
おまけに地面近くになると完全に凍っていて、それをマチェーテと呼ばれる鉈で砕いていかなければなりません。

1時間ほどであらかた地面を露出させた後は、手分けをして、薪の切り出し、火を焚く、ロープの準備、シェルターの設営、救難信号用の焚き火の準備などの作業にあたります。
シェルターの保温効果を上げるために、地面にはもみの木の枝を敷き詰め、風除けにパラシュートの生地で全体を覆います。
これら一連の作業を全て終える頃にはもうすっかり日が暮れてしまっていました。

夜は3時間交替で火の番です。
火が絶えないようにするのはもちろんですが、暖をとるためには火の近くで寝る必要がありますので、寝ているクルーの服に燃え移らないように注意をする役目もあります。
夕食(と言えるほどの内容ではありませんが)の時に、普段何時に寝て起きるパターンを送っているかという話題になり、ケイトから

「夜は大体9時くらいには寝て、朝5時前には起きる」

という衝撃的な事実を聞かされたばかりなので、早起きが苦手なアナトーリと私はこれ幸いと、

「じゃ、ケイトは3番目のシフトね!」

とホッと胸を撫で下ろしたのでした。
シェルターと言っても初日の今日は簡易シェルターなので、焚き火のある側は完全に開いた構造になっています。
寝袋もないので雑魚寝ですが、体が疲れていたせいもあり、思っていたよりも熟睡でき、2時間×2シフトの計4時間ほど眠れたのは良かったです。

(写真は全てガガーリン宇宙飛行士訓練センターの撮影)


冬期サバイバル 非常用装備品、防寒着の準備(出展:JAXA)
冬期サバイバル簡易シェルターの設置(出展:JAXA)

冬期サバイバル簡易シェルターの設置(出展:JAXA)
冬期サバイバル簡易シェルターの設置(出展:JAXA)
冬期サバイバル簡易シェルターの設置(出展:JAXA)
冬期サバイバル簡易シェルターの設置(出展:JAXA)


 
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