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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年7月29日

昨日は、大きな訓練が2つありました。

1つ目は、ISSロシア区画の火災発生時の対処訓練、2つ目はその訓練のシナリオから派生して、火災の発生したISSからソユーズ宇宙船で緊急脱出する訓練です。
前半はISSのインストラクター、後半はソユーズのインストラクターが担当します。

火災の対処方法については、基本的にアメリカ区画の場合と同様です。
異なるのは、酸素マスクや消火器などの仕様です。
ロシア区画に設置されている酸素マスクは、化学反応で酸素を発生させるシステムで、酸素の供給を続ける為には、被っている人が呼吸し続けることが必要です。
また、使用中は化学反応によって発生する熱で、カートリッジがかなり熱くなります。
20分とか30分被っていると、かなり汗だくになります。
私は特に汗っかきなので、マスクを脱いだ時、まるでシャワーを浴びてきたようになっていて、皆に笑われてしまいました(^^;)

2つ目のシナリオは、火災を鎮火できずそのままソユーズでISSから離脱するというもので、ここでのポイントは酸素マスクを着た状態でソコル宇宙服に着替え、さらにソユーズの酸素システムに乗り換える部分です。
ISSもソユーズ内も煙が充満しているという設定なので、酸素マスクを脱いでしまうと、呼吸も出来ませんし目も開けられません。

午前中にインストラクターとソユーズの手順書を読み合わせているとき、この酸素マスクについての記載がありました。

インストラクター「酸素マスクは一時的に1分まで外すことができるとされている」

クルーA「?? ここに、3分までって書いてあるけど」

イ「あ、それは新しいバージョンの手順書だね。それじゃあ、1分が3分に改訂されたんだね」

クルーB「時間が増えたのは良いね。宇宙服に着替えるのに手間取っても焦らなくていい」

イ「えーと、次に着替え方を説明する。酸素マスクを外す前に大きく息を吸い込んで、脱いだ後は呼吸を止めておくこと」

クルー一同「3分も息止めてられるかい!!」

と一斉にツッコむという一幕がありました。
何のためにこの部が改訂されたのか、謎です(笑)

さて、実際にやってみた感想です。
酸素マスクを着けたり外したりするのは、思ったより難しくなかったです。
以前にソコル宇宙服の着方をご紹介しましたが、首から上を宇宙服に通す際に一度酸素マスクを脱いでやる必要があり、首を通した後にマスクを付け直すという手順が必要になります。
そのあと宇宙船のカプセルに乗り込んで、宇宙服を酸素システムに接続した後は、酸素マスクを脱いでヘルメットを閉めればそれ以上酸素マスクは必要ないのですが、この部分もそんなに難しくはありませんでした。

難しかったのは、宇宙船の座席に着席(?)する部分です。
ただでさえ狭い船内で、酸素マスクによって非常に狭められた視界のなか、手探りで全てのコネクターやシートベルトを探してそれを接続するのがとても難しかったです。
何しろ自分のお腹の上がちゃんと見えないので、4点式のシートベルトをバックルで止めるのが一苦労です。
やっと締められたと思ったら、そのベルトの下に酸素マスクのカートリッジが入ってしまっていて、再度やり直すことになったり。

とにかく暑いの一言です!


(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
(出展:JAXA)


 
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