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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年11月27日

(出展:JAXA)

クルーレストの2日目はちょうどアメリカのサンクスギビングデーということで、皆でターキーディナーを堪能しました。
NASAの飛行士たちがそれぞれの家の定番サイドディッシュを持ち寄ってくれ、とても豪華な夕食になりました。
少々食べ過ぎました(;´・ω・)

今日は先週金曜日のISSロシア区画の最終試験について書きます。

ISS試験のコミッション(監督者の一団)も、基本的にはソユーズのときのメンバーと同じです。
そして、この日はプライムクルーがソユーズの試験を受けているので、コミッションはまずそちらの試験開始を監督したあと、私たちのいるISSモックアップにやってきます。

朝8時40分。
前日と同様、コミッションに挨拶をしたあと、アナトーリが5枚のチケットから1枚選びました。
今日のチケットには、5つの不具合が記されています。
ただ、ケイトと私はユーザーレベルの資格しか持っていないので、試験も午後から参加することになっていて、不具合のほとんどは朝から試験を受けるアナトーリが1人で対応することになるのですが(;´∀`)

ISSの1日の作業は、世界中の管制センターと繋いで実施する音声会議から始まります。
Morning Daily Planning Conference、略してモーニングDPCと呼ばれる会議で、ここで私たち宇宙飛行士はその日のスケジュールの変更点や注意事項などの連絡を受けます。

今日の試験でも、9時10分からこのDPCがスケジュールされていたので、それに3人で出てから、ケイトと私は一旦試験を離れました。
14時から再度合流です。

私にアサインされているタスクは、下記の通り。

宇宙食の準備
母の日用のビデオメッセージ収録
モジュール間ハッチの開閉
空気の組成チェック
尿処理液タンクの交換
トイレの使い方
排泄物用タンクの組み立て
荷物の移動とそれに伴うデータベースの更新
非常用装備品の点検

なんかトイレ関連のタスクが多いような・・・気のせいかな(;´∀`)
ほとんどのタスクは、先のルーティン・オプス・シムでやったタスクと同じですので、それらのタスクは全く問題ありません。
ルーティン・オプス・シムの模様はこちらをご参照ください。
大西宇宙飛行士Google+日記(2015年11月14日)

ビデオメッセージ収録は以前と同様、カメラの前に3人並んでそれぞれ台本の所定の箇所を読み上げるのですが、前回なぜかNGを出されて撮り直したので今回こそは一発でOKをもらおうと意気込んだのですが。

「もう一回やり直して。タクヤのマイクのスイッチがちゃんと押されてなくて、音声途切れちゃったので」

!??

「ご、ごめっ・・・・」

これには平謝りするしかなかったです。
アナトーリもケイトも、快く再収録につきあってくれましたが。

新しいタスクでは、空気の組成チェックというのがありましたが、これはシンプルなタスクで、メインモジュール内のラップトップで現在の気圧と二酸化炭素濃度、湿度などを調べて、それを口頭で報告して終わりです。
他に、排泄物用タンクの組み立てというのも初めてやりましたが、これも2つのパーツをネジで止めるだけでしたので全く問題なしです。

無事に全てのタスクを時間内に完了して、最後の非常用装備品の点検を行っている最中に、メインモジュール内で煙が発生!

まずは初動として、酸素マスクを装着します。
次に、メインモジュール内には煙探知器が複数設置されているので、そのどれが警報を出しているかを特定し、その探知器があるところのパネルを開いてみると、確かにそこが火元になっています(モックアップ内では赤いランプが光っていて、火元であることを知らせてくれます)。

ISSでは火元が特定できればすぐに消火活動に入るので、アナトーリの指示に従って私が消火器で消火にあたります。
幸い、すぐに鎮火しました。

そのあとは地上からの指示に従って、後処理を行います。
システムのいくつかの自動処理を確認したり、空気を正常化するためのフィルターを設置したりします。
そうして空気が正常化したところでケースクローズです。

試験のあとは、コミッションとのデブリーフィングです。
これもソユーズの時と同様です。
デブリーフィングの結果、良好な成績で無事に試験に合格することが出来たのでした。



 
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