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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年9月18日

(出展:JAXA)

引き続き、ESAのENERGY(エナジー)実験に関する訓練が続いています。

今日がメインの基礎データ取得になります。
今日の為に、昨日1日缶詰を食べていたと言っても過言ではありません。

まず、朝起きてホテルで採尿です。
朝食は摂らずにそのままESAへ。
体重を測定した後、特殊な「水」を規定量飲みます。
この水は、2種類の同位体を含む水で、Doubly labeled waterと呼ばれています。
同位体というのは高校の化学で出てきたと思いますが、同じ原子でも中性子の数が違うことによって、質量が異なる原子のことです。
質量数2の水素の同位体(重水素)と質量数18の酸素の同位体がこの水に含まれています。
これは何に使われるかというと、身体の中に取り込まれた水分が体外に排出される過程を調べるのに用いられます。
水分が体外に排出されるには、尿という形と、あとは汗や皮膚から蒸発していく水分、呼気に含まれる水分などがありますが、何でもこれらの水素と酸素の同位体は、排出されるルートが限定されるため、尿検査などでこれらの量を調べてやることにより、身体の中で行われるエネルギー代謝を計ることができるそうです。

すみません(;´∀`)
説明を受けたのですが、難しすぎて私もしっかりと理解できていません。
興味のある方はWikipediaで検索してみてください。
とにかく、この実験においてキーとなるのは、この水を摂取して、10日間尿検査を続けることにより、昨日ご説明した、

① 安静時の新陳代謝により消費されるエネルギー
② 運動により消費されるエネルギー
③ 食事の消化・吸収のために消費されるエネルギー

を全て加えた全エネルギー量が量れるということ(らしい)です。

研究者「その水は大切な指標なので、1滴もこぼさないでくださいね。あと、めちゃくちゃ高価な水ですから(笑)。全て体内に取り込めるように、飲んだ後、口の中を普通の水でゆすいで、そのまま飲み込んで下さい」

私「はあ・・・。それじゃ気を付けて飲まないとですね。(ゴクッ)。うん、確かに同位体の味がしますね( `・ω・´)キリッ」

研究者「味は普通のはずですよ(笑)」

私「・・・・(バレたか)」

さあ、これで私の体内にマーカーとなる水が取り込まれたわけですから、そこから私のエネルギー代謝効率(メタボリックレート)を調べるデータ取りが始まります。

やり方は、しばらく横になって、起きて一休みして、また横になって、また起きて、たまにおしっこを採取する、というのを延々5時間も繰り返します。
横になっている間は、写真のような装置を付けて、呼吸で取り込まれる酸素量、排出される二酸化炭素量を測定します。
安静時に排出される二酸化炭素量から①が、その後朝食を摂って、その後の二酸化炭素測定値から①を引くことによって③が得られるらしいです。

今日1日で基礎データは取得してもらえましたが、引き続き10日間、採尿と食事記録、加速度計による活動度モニターが継続されます。

もう少しちゃんと実験の原理が理解できれば良いのですが、さすがに得意分野・不得意分野があるのでそうもいきませんね。
でも、宇宙飛行士として大切なのは、地上の研究者の方々を信頼して、言われたとおりにきっちりとデータが取れるように最大限努力することではないでしょうか。
研究者の方々と被験者である宇宙飛行士が協力して、良い成果を生み出せれば良いなと思います。



 
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