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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年12月 9日

(出展:JAXA)

12月8日 L-7 days

今日の午前中は、ISSロシア区画の最新の状況に関する説明とソユーズの搭載物品のマニフェストに関する説明があり、午後は運動の時間を含めたフリータイムでした。
プライムクルーの1人、ティム・コープラ飛行士が言っていましたが、ロシアは打ち上げ前にしっかりと宇宙飛行士を休ませようとしているのがわかるそうです。
彼は以前にアメリカのスペースシャトルの打ち上げを経験しているので、それと比較しての言葉なのでしょう。
確かに、このバイコヌールに到着して最初の数日を除き、スケジュールは緩めで体調をしっかりと整える時間を頂けています。

ロシアの人々は大のサウナ好きですが、私たちの宿泊しているホテルにもサウナがあって、3日に1度、スケジュールにサウナの時間まで組み込まれています。
筋力トレーニングをした後にサウナでたっぷりと汗をかくと、翌日の身体の疲れも全然違うように思うので、これもロシア式の体調管理の一環なのでしょう。

体調管理と言えば、打ち上げ前の検疫体制は私が予想していたよりもかなりしっかりしていて、例えば食事をする場所も他のインストラクターの方々とは別の部屋で取ります。
マネジメント層の方々とは同じ部屋で食事をしますが、各テーブルは必要以上に離れていて、施設の掃除も行きわたっている感じです。
クルーの私たちはもちろん、スタッフの方々も序盤に一度街に買い出しに出かけた以外は、ずっと施設のテリトリー内で過ごしています。
本当に多くの方々がサポートして下さっています。

さてさて、冒頭でISSロシア区画の最新状況についての説明があったと書きましたが、そこでは各システムの稼働状況や最近起こった不具合とその影響について聞きました。

ISS自体は複雑なシステムの集合体ですから、アメリカ区画も含めて全ての機器が正常に作動しているということはなかなか難しいのです。
打ち上げ前に、それぞれのシステムがどのような状態にあるかを聞いておくことはとても大事だと思います。
幸い、ここ数か月ロシア区画では大きな不具合はないようです。

割と頻繁に起こっているものとしては、火災探知器(実質は煙探知器)の誤検知があり、10月以降で2回起こっていました。
これは火災探知器の構成上ある程度致し方ないものです。
煙を探知するのに、大気中の不純物質の量をレーザーの透過率などのやり方で測っているわけですが、例えばホコリの溜まったパネルを開けた時や、飛行士が動いた拍子に舞い散ったホコリに反応して、探知器が作動してしまうのです。

この検知レベルを鈍感にすれば防げるのかもしれませんが、それと引き換えに実際に煙が発生した場合の反応も鈍くなる恐れがあるので、あまり鈍感には出来ません。
かと言って、誤検知が多くなると、今度は逆に本当に火災が発生した際にもクルーは「どうせまた誤検知だろう」と思ってしまうオオカミ少年状態になる恐れがあります。
その辺りのバランスを上手く取ることが、巨大なシステムを人間が運用していく上で大切なのかもしれません。

明日はメディア向けの訓練公開が予定されています。
ソユーズでの初飛行を行う飛行士の、記念の植樹もあります。
これもまた、打ち上げ前のロシアの慣習の1つです。



 
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