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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年2月24日

ISSモックアップ(出典:JAXA)

今日の午後は3時間の Routine Operations Simulation がありました。
直訳するとなると、「日常運用模擬訓練」とでも訳すのでしょうか。
これをかみ砕いてわかりやすく表現すると、

「ISSのごくありふれた1日」 をシミュレートする訓練

ということになります。
訓練はジョンソン宇宙センターにある(ほぼ)実物大のISSモックアップを使用して行われました(写真参照)。
普通、シミュレーション訓練というと、不具合多発、緊急事態勃発といった異常事態に対処することを主眼においた訓練が多いのですが、実際のISSではそのような事態はそうそう起こるものではありません。
そういった訓練はもちろん大事なのですが、それと同じくらいISSで日常どのようなタスクが行われているか、どのような小さな不具合が発生するかを体験しておくのも非常に重要と言えるでしょう。

訓練はケイトと一緒に受けたのですが、それぞれに色々なタスクがアサインされます。
それらのタスクはPC上でタイムラインスケジュールとして表され(写真参照)、クルーは適宜それを参照しながら自分に割り当てられたタスクを処理していきます。

今日私に割り当てられたタスクは以下のとおり。

・格納容器内の尿を水再生装置に送る作業(またトイレwww)
・メディアインタビュー準備
・収納ラックの後ろにある荷物の整理
・空気のサンプリング
・ベンチレーションシステムの流量測定
・冷却システムの水サンプリング
・掃除
・通信装置のスピーカー繋ぎ替え
・メディアインタビュー

これらを3時間でこなします。
タスクに必要な道具を揃えるところから、地上との交信まで全て、実際の作業を想定して自分で行います。
何か問題が発生したら地上に問い合わせる、というのも同じです。

私の場合、最初のタスクからいきなりつまづきました。
尿の格納容器に圧力を加えるためのコンプレッサーに接続する空気のホースが見当たりません。
手順書で指示された場所に見当たらないので、早速地上に無線で問い合わせます。

私 「空気のホースが見当たらないんだけど??」
地上「了解、ちょっと待っててくれ」

少しすると慌てた様子で担当インストラクターが飛んで来ました。

インストラクター「ほんとだ、おかしいな。準備したと思ったんだけど。隠したのは電源ケーブルのはずなんだけどな(ボソッ)」
私 「・・・・・!? そうだったんだ(笑)ほんとだ。電源ケーブルもない」

私 「地上へ。電源ケーブルも見当たらない」
地上 「・・・了解。では、○○モジュールの××の中にないか見てくれ」
私 「ケーブルが見つかった。作業に戻ります」

私 「電源ケーブルを差し込むことになっているコンセントには、コネクターの形状が違うので差し込めない。見たところもう1つのコンセントには差し込めそう。指示された手順と異なるが、そっちを使っても良いか?」
地上「了解、問題ないのでそちらを使ってくれ」

と、こんな感じで実際に軌道上でも起こりそうな小さな不具合(+ インストラクターの手違いによる不具合)が重なって、最初のタスクから時間が押せ押せになってしまいました。 でも大事なことはタスクを早く終わらせることではなく、ミスのないように確実に実施することですので、これは仕方ありません。
その遅れをどこで取り返すのかというのが、クルーの腕の見せ所でしょうか。

そんなこんなで、異常事態への対処訓練とはまた一味違った面白さのある訓練でした。 明日からは3日間に及ぶ緊急事態への対処訓練が始まります。
アナトーリも今ヒューストンに来ていますので、クルー3人で臨みます!!

タイムラインスケジュール(出展:JAXA)


 
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