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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年1月 9日

(出典:JAXA)

その1

無事に今日の船外活動訓練が終わりました。
疲れました~

簡単に一日の流れをご紹介しましょう。
朝4時半に起床したあと、ざっと実施する手順書に目を通して最終確認。
朝食はカレーとサラダです。
「朝からカレーか!」というツッコミが聞こえてきそうですが、これには私なりの訳がありまして、一旦プールに入ると6時間潜りっぱなしで、その間はトイレにも行けず食事も出来ません。
さらに船外活動訓練自体、非常に身体的な負荷の高い訓練ですので、出来るだけ朝食をしっかりと、なるべく腹持ちの良いものを、と試行錯誤した結果行き着いたメニューが「カレー」なのです。
もちろん普段からこんなヘビーな朝食を摂っているわけではありませんので、ご安心ください。

7時から道具のセットアップが始まります。
プールの中で使用する工具や、交換部品、テザー(命綱のようなもの)類を、船外活動服に取り付けたりバッグに収納して持ち運び出来るように準備する時間です。

7時半からはお医者さんによるメディカルチェック、船外活動服用の冷却下着への着替えを行います。
前述の通り、訓練中はトイレに行けませんので、下着のさらにその下にはオムツをはきます(内緒です)。

8時から、飛行士、インストラクター、ダイバー、テクニカルスタッフら総勢30名ほどでブリーフィングを行います。
ここでは当日のタスクの流れ、安全上の注意点などが話し合われます。

大体8時20分頃から船外活動服の着用に入ります。
上半身と下半身、グローブとヘルメットを順次装着した後、宇宙服を0.3気圧ほど加圧します。
これは実際の宇宙空間での作業環境を模擬するためです。
一連の準備が終わる頃には、9時を回っていることが多いです。

その後、プールに入っていよいよ訓練スタート。
15時までぶっ通しです。
終わる頃には大体腕の筋肉が、特に握力が疲弊しきってしまいます。
加圧された宇宙服では、物を掴む動作1つとっても力を入れてやる必要があるためです。

そんなこんなで無事に訓練を終え、プールから上がると温かいシャワーが待っています。
ここは、その日サポートしてくれたダイバーたちに自分のどこが良くなかったかなどを聞く絶好の機会でもあります。
その後全体でのデブリーフィング、インストラクターと飛行士の間でのデブリーフィングでその日の反省点を洗い出していくのですが、すべて終わる頃には17時近くなっていました。

ざっと流れを書きましたが、少しイメージがわきましたでしょうか?
プールの中でのもっと具体的な話はまたおいおいご紹介したいと思います。

(注)写真はイメージです。今日の写真ではありません。


その2

コメントで頂いたペンの話で、アメリカと旧ソ連の宇宙開発に関するある有名なアメリカンジョークを思い出しました。

「アメリカが人間を宇宙に送り込んだとき、宇宙ではボールペンで字が書けない事を知った。

それからNASAは新たなボールペンの開発に膨大な時間とお金を投入し、ついに地上でも宇宙でも、水の中でも極寒の地でも灼熱の地でも字が書けるボールペンの開発に成功した!!

・・・一方、ソ連は鉛筆を使った。」

という内容で、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
個人的にはオチの簡潔さが気に入っています。
いま、アメリカとロシアという二つの国で訓練を行っていて、「このジョーク、両国の宇宙開発に対する姿勢をなかなか的確に表現しているな」と思うこともしばしばだったりします(^^)

さて、ジョークはあくまでもジョークなのですが、本当のところはどうだったの?という疑問に対して、律儀にもNASAはWebで解説してくれています。
ご興味のある方はどうぞ。

Fisher Space Pen

 
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