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2015年2月17日
いつもロシアから帰ってきた週末は、溜まっていたヒューストンでしかできないことの処理から始まります。
自分宛ての郵便物に目を通すのもその1つです。
JAXAの機関誌、「JAXA's」の最新59号が届いていました。
JAXA's は私たちの研究活動を広く一般の方々にご紹介するための広報誌ですが、私のような中途採用者にとっては他部署の活動を知る良いツールでもあります。
59号では、「未来づくりの現場から」というコーナーの再生型燃料電池に関するインタビュー記事がとても興味深かったです。
この再生型燃料電池、記事によると、
水素と酸素を反応させて電気を発生させる燃料電池
+
水を電気分解して水素と酸素にする水電解
の組み合わせによる、「電力以外は出入りをしないエネルギー貯蔵・供給システム」なのだとか。
この電池を宇宙で使うための課題の1つとして、「重力を利用して水素・酸素ガスと水を分離することができません」と書かれています。
この「重力を利用して」というのは、私たちが地上で普段考えることもなく、自然と恩恵を被っていることですが、宇宙空間ではそれが利用できないと。
宇宙開発の難しいところですね。
一方で、重力によって普段は隠されている、目立たなくなっている物理現象について調べるのに、宇宙は絶好の実験空間でもあります。
ISSの日本の実験棟「きぼう」で行われている、マランゴニ対流実験もその1つです。
マランゴニ対流というのは、液体の表面張力によって生じる対流なのですが、地上では重力による熱対流の影響の方がはるかに大きいので、これを実験で観察するのは容易ではありません。
宇宙空間での実験を通じて、マランゴニ対流の性質を理解し、それをコントロールすることによって、より高品質の材料製造技術や新しい技術の発明につなげようというのが、「きぼう」での実験の狙いです。
宇宙独特の環境とうまく付き合い、うまく利用していけるといいですね
(^^)
JAXA's 最新号、ご興味のある方はネットでダウンロードできますので是非ご一読ください。 星出さんの連載も載っています。
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