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2015年6月 9日
ESA(ヨーロッパ宇宙機関)での訓練が始まりました。
ESAはヨーロッパの国々で構成されるだけあって、ヨーロッパの各所にその機能が散らばっていますが、宇宙飛行士の訓練が行われるEuropean Astronaut Center(通称EAC)はドイツのケルンにあります。
より詳しく言うと、ケルン郊外にあるドイツ航空宇宙センター(通称DLR)の敷地内にあります。
ここはESAの宇宙飛行士の拠点になっているほか、コロンバスモジュールの訓練が行われています。
以前はESAのISS補給船ATVに関する訓練もここで行われていました。
EACのエントランスを入ったところにあるホールには、ISSをはじめとする宇宙船やロケットの模型が飾られていて、ちょっとした博物館のようになっています。
今回の訓練の目的は、コロンバスモジュールのオペレーター資格を取得することと、実験装置の概要について学ぶことです。
私は最終的にコロンバスのスペシャリスト資格まで取得する予定ですが、その訓練は9月に実施されることになっています。
初日の今日は、モックアップを使用したコロンバスモジュールの概要紹介、データマネジメントシステム、コントロール端末の使用方法、電気分配システムについての訓練が行われました。
ISSのアメリカ側区画の司令塔ともいうべきコンピューターは(C&Cと呼ばれています)、アメリカのLAB(ラブ)と呼ばれるモジュールにあるのですが、コロンバスのデータマネジメントシステムは、そのC&Cコンピューターとデータのやり取りをしながら、モジュールの制御を行っています。
「きぼう」と同様に、制御ののほとんどの部分は地上からのコマンドによって実施されます。
わかりやすく言うと、コロンバス内の自治的なコントロールを行いながら、ISS全体もしくはクルーの安全に関わるようなデータに関しては、中央のC&Cコンピューターと逐一やり取りをしている、ということになります。
電気分配システムに関しても、「きぼう」と同様、コロンバスは独自の発電装置を持たず、アメリカモジュールから電気を受け取って、モジュール内で分配するのがその目的です。
訓練では、主にアメリカモジュールのシステムと異なる仕様についての説明がメインになります。
中にはESA独自のこだわりの設計などもあり、アメリカや日本のモジュールと比較するのも興味深いです。
1つ面白かったのは、モジュールにはハッチを入って向かって右側上部に4つ、左側上部に4つ蛍光灯が並んでいて、ハッチの左右にこの蛍光灯をON/OFFするスイッチがあるのですが、このスイッチ、なぜか右側のスイッチをONにすると左側の4つの蛍光灯がONになり、左側のスイッチをONにすると右側のライトが点くようになっています。
直感とは逆の仕様になっています。
「どうしてこういう仕様になっているのか」とインストラクターに聞くと、
「我々ヨーロッパ人は少し違う風にやりたがるからだ」という答えが返ってきましたが、すぐに「というのは冗談で、なぜそうなってしまったのか私にもわからない(笑)」
とのことでした(^^;)
コロンバスの七不思議の1つです。
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