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2016年4月27日
新型となるソユーズMS型機に関する訓練が始まっています。
(注:モビルスーツではありません)
月曜と火曜の午前中はモーションコントロールシステムの変更点に関する座学がありました。
私たち宇宙飛行士にとって一番大事なシステムは生命維持システムですが、ソユーズという宇宙船にとってそれに相当するのが、このモーションコントロールシステムになります。
レフトシーターとしてアサインされ、最初の1年間はまさにこのシステムの勉強との戦いでした。
月曜はこのうちのデジタル制御ループについての座学だったのですが、担当教官は伝説のユーリ・マニャックさん。
ガガーリン宇宙飛行士訓練センターの教官の中では「超」がつくほどの有名人・ベテランです。
モーションコントロールシステムの生き字引と言ってもよいでしょう。
実は私はユーリさんに教わるのはこれが初めてです。
当時ユーリさんが他の飛行士を担当していたため、私の座学は他の教官が担当されたからです。
初のユーリさんの座学ということで、多少緊張していましたが、授業が始まるや否や、その説明のわかりやすさ、教え方のスムーズさに感動してしまいました。
私はパイロット時代から含めて、これまで多くの座学を受けてきたので、「訓練を受ける側」としてはある意味プロと言えます(笑)
そうすると、教える側の上手い下手というのがどうしても見えてくるものですが、まさに圧巻の座学でした。
MS型機から追加される新しい姿勢制御モードの説明に始まり、私たちの乗る初号機ではまだ実装されない新機能についても解説して下さり、かなり濃密な4時間となりました。
月曜午後には、いよいよMS型機の手順書を受け取り、早速火曜の午後に一発目のシミュレーション訓練をアナトーリと共に受けてきました。
構成から一変した新しい手順書です。
一回目ということで、打ち上げ前準備から軌道投入、最初の2回のエンジン噴射までの部分をシミュレーションしました。
久しぶりの訓練ですので、一つ一つのステップをゆっくりと実施していき、特に今回の手順書で新しくなった部分については念入りに確認しました。
不明な点はその場でインストラクターに質問していきました。
インストラクターも今回は手探りだったようで、投入される不具合も比較的甘めで、走るはずの自動プログラムが走らなかったり、酸素タンクから宇宙船内へのリーク(漏れ)が発生したりといった、対応の簡単なものが多かったです。
一通り、打ち上げから帰還までの新手順を確認するまでは、同様のシミュレーション訓練が続くでしょう。
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