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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年1月21日

(出典:JAXA)

今日は午前中にロシア語の授業とソユーズ帰還時の手動操縦訓練、午後には同じくソユーズのランデブー・ドッキング時の手動操縦訓練がありました。

写真はぱっと見るとテレビゲームで遊んでいるようにしか見えませんが、帰還時のソユーズ手動操縦訓練を行っているところです。
テクニカルなスキルを身につけるのが目的なので、こうして計器パネルを模擬した装置とコントローラーを用いて実施されます。
訓練の後半になると、セントリフュージと呼ばれる遠心力で重力加速度を模擬する装置に入って同様の操作を行う機会もあります。その時は最大で8G(地上の重力の8倍)まで負荷をかけるとか・・・(^^;)

皆さんの中にはソユーズカプセルが地球に帰還する際、単に放物線を描いて「落ちて」くると思われている方も多いのではないでしょうか。
ソユーズには飛行機のような羽がないので、それも無理はありません。

実際には、ソユーズカプセルはその形状によって、大気圏を落ちてくる時に一定の方向に揚力(物を持ち上げる力、飛行機が飛べるのもこの力のお陰です)を発生させます。

この「一定の方向に」というのがポイントで、ソユーズカプセルを右に左に回転させることによって、その揚力の方向を極端な話、上下左右どの方向へも向けることができるのです。

大気圏に突入してからパラシュートを開くまで、ソユーズはこのカプセルの角度をコントロールすることによって、飛行の軌跡と重力加速度をコントロールしながら落ちてくるのです。

少し難しいと思うので、いくつか例を挙げると、揚力をずっと上の方向に向けて固定しておけば、クルーの体にかかる重力加速度はその分小さくなりますし、着陸地点も遠くの方になります。
反対にずっと右の方向に固定しておくと、重力加速度は変化しませんが、カプセルがずっと右の方向へスライドしていくので、着陸地点は向かって右へずれていきます。

普通はこのコントロールはコンピューターによって自動で計算されて行われるのですが、その自動操縦が使えないような状況になっても、クルーが手動である程度の範囲内でカプセルの角度をコントロールできるようになっています。

今日の訓練では、そのスキルを磨く為に、大気圏に突入する部分を10回繰り返し練習しました。
冒頭でテレビゲームと言いましたが、実際、テレビゲームの感覚に近いです。
それも、なかなか難易度の高いゲームです。
(実際にこんなゲームが発売されても地味すぎますが・・・)
少しコツが掴めてきたかなと思いますが、引き続き練習が必要です。

このあたりの話は、もっと色々ご紹介したいところなのですが、今日のところはひとまずこのへんで。



 
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