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2016年5月25日
今日の午前中は、最後のソユーズシミュレーション訓練がありました。
3人揃って、ソコル宇宙服を着用しての訓練です。
ISSからアンドッキング(離脱)して、軌道離脱噴射を行って地上に帰還するまでの流れです。
私たちの乗るMS型初号機では、アンドッキング後に手動操縦系統のテストを行うことになっています。
非常にシンプルなテストで、コントローラーの入力に対して、宇宙船が想定通りの反応をするかを確認します。
今日のシナリオは比較的穏やかでしたが、途中の10分間だけは今までにない忙しさでした。
軌道離脱噴射が始まる5分くらい前に、カプセル内の圧力が低下し始める減圧が発生したので、私がそちらの対処、アナトーリは軌道離脱噴射に備えるという役割分担したのですが、軌道離脱噴射中もメインエンジンが故障したりと、その10分間だけ目の回る忙しさでした。
減圧時は、船内に酸素を供給するバルブを開いて時間を稼ぐのがセオリーですが、酸素分圧が高くなりすぎてもいけないので(過去にアポロ1号の事故が起きていますが、これは酸素分圧が高すぎた為に火災があっという間に船内に広がったためです)、このバルブを開けたり閉めたりを繰り返します。
今回はこの作業をやっている時にちょうど軌道離脱噴射を行っていたので、アナトーリも私も負荷が結構高かったというわけです。
でもそんな時に、ケイトがしっかりとサポートしてくれたのでとても助かりました。
本来ライトシーターである彼女は、宇宙船の運用に関わる部分にはほぼノータッチなのですが、それでも出来る限りシステムに関する理解を深めようとしていたり、手順書を読み込んで私たちのやっていることに付いて来てくれるので、本当にありがたいです。
今回もアナトーリと私の並行作業を手順書で追いながら、私たちの操作に抜けがないかをチェックしてくれたり、可能な範囲でエンジン噴射中のパラメーターをモニターしてくれたり。
お陰で、この10分間のピンチも無事に切り抜けることが出来ました。
夕食後は、昨日に引き続いて勉強会の第2弾をやりましたが、バックアップクルーのペギーもまたすごいです。
彼女は過去に2度、レフトシーターとしてソユーズに搭乗しているので、オペレーションのポイントがよくわかっていますし、あの手この手で他の2人のクルーをサポートしようとしてくれているのが、よくわかります。
勉強会では、不具合対処の手順書を一通り流して、注意点などを話し合いました。
昨日と同じく、別のクルーのやり方を聞いてまた新たな発見もありましたし、とても有意義でした。
気付けば早いもので、打ち上げまでちょうど1か月です。
私たちクルーも、数々の試験を受けていますが、現在私たちが乗る宇宙船も、同じように様々な「試験」を受けているようですw
20日から25日まで、真空チャンバーで気密性の試験が行われているようです。
写真は全て、ロスコスモスのサイトから。
頑張って試験に合格してもらいたいですね(^v^)
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