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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年10月31日

プラス50度(出展:JAXA)
マイナス30度(出展:JAXA)

細々と連載を続けている、このマニアックなGoogle+アカウントですが、昨日急にフォロワーの方が増えたなあと思っていたら、油井さんがTwitterで紹介して下さったのですね。

ありがたや~(T_T)です。

油井さんは、ISSに行ってからも時々電話を下さいます。
普段は仕事の妨げになってはと、メールを送るのも控えているのですが、そういう時はここぞとばかりに色々とお聞きしたいことを聞いてしまいます。
もうすぐ金井さんの訓練も始まるでしょうし、今度は私が同じように金井さんに自分の経験や学んだことを伝えていく番ですね。

さてさて。

今日も引き続き、ソユーズに関連する訓練が続いています。
手動による大気圏突入時のコントロールを練習する訓練、手動でソユーズをISSのあるドッキングポートから別のドッキングポートに移動させる訓練(Re-docking: リドッキングと呼びます)の他、「ブレスレット」と呼ばれる装具のフィットチェック(試着)がありました。

この「ブレスレット」、同席していた医師の女性の方がガーターベルトと表現していましたが、両太ももの付け根の辺りを圧迫するためのベルトのような形状をしています。
写真に写っている青色のやつです。

人間の体が宇宙の無重力状態にさらされるとき、重力の変化によって様々な影響がありますが、その代表的なものが体液シフトと呼ばれるもので、これは普段重力に引かれて身体の足の方にいっている血液などの体液が、頭の方向へ移動することによって起こります。

今日の食事時に飛行経験のあるNASAの飛行士から聞いたのですが、宇宙に行って数時間は、逆立ちをした時のような「頭に血が上る感覚」に悩まされるそうです。
その感覚に慣れたあとも、完全に頭がすっきりとするまでには、個人差がありますが数日かかるそうです。

そこでこの「ブレスレット」です。
原理は至って簡単で、足の付け根を適度に縛ることによって、足から頭の方向へ移動しようとする体液の流れを制限しようというものです。

今日は実際に体をテーブルに寝かせた状態で、プラス50度に立てた状態からマイナス30度まで傾けて、この体液シフトの状態を人工的に作り出して、「ブレスレット」をどの程度きつく縛るのが効果的かというのを測ってくれました。

頭に何かしら電極のようなものを付けられたので、それで脳波?か何かを測っているのでしょう。
ちょっと違うかな?

マイナス30度に傾けた状態は、感覚的には60度くらい傾いてるんじゃないの!?というくらい頭が下がっている感覚があります。
カァーーーッと頭に血が上ります。
いや、この場合下がっているわけですが。

プラス50度に戻した後、今度は「ブレスレット」を締めた状態で再びマイナス30度へ。
何となく、効果があるようなないような・・・

「ほう、これはすごい適応力だ。彼は何歳だね?」
「身体年齢が若いな」

という看護師や担当者の方の会話が聞こえてきます。
なんだかよくわかりませんが、褒められているようです( ̄∇ ̄)

締めるキツさを2段階に変えてみて、そのデータから適切な締め具合というのを弾きだしてくれました。
そのままマイナス30度に傾けられたまま、

「よーし、それじゃこれからブレスレットを外すからな」

と言われ、実際に外されてみると、頭にウワァーーッとまた血が上ってくるのがわかります。

効果あるね、これ∑(=゚ω゚=;)

さすがロシア。



 
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