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2015年10月 8日
今日は午前中にCardio Oxという宇宙医学系実験の基礎データ取得と、ISSのネットワークシステムの訓練。
午後はロシア語とISSに持っていく眼鏡のフィットチェックが行われました。
Cardio Oxの基礎データ取得が以前に実施したものと全く同様です。
前回は私が万が一12月のバックアップミッションで打ち上がることになった場合を想定してのデータ取得でしたが、今回のは私の正規のミッションに向けたデータ取得です。
大西宇宙飛行士Google+日記(2015年6月3日)
ISSのネットワークシステムに関する訓練では、最近のアップデートについて教えてもらいました。
ここで言うネットワークシステムというのは非常に広範なシステムで、いわゆるLAN(ローカルネットワーク)やISS内のPCやプリンター、ワイヤレスアクセスポイント間の接続、基本的なソフトウエアの使用方法など、まさにISSの日々の運用を根幹で支えているシステムです。
多くの企業の業務が今やネットワークなしでは立ちいかないように、ISSの運用もまさにネットワークシステムが屋台骨となって支えています。
最近のアップデートとしては、これまでISSで使用されてきたタイムラインツールが次世代のものに切り替わったことが挙げられます。
タイムラインツールというのは、PCのWEBブラウザ上で走るプログラムで、クルー1人1人のスケジュールや、地上の管制チームの作業、昼夜の切り替わり、各種制限事項などが時間を横軸に一覧になって見られるツールです。
ISSのクルーはこのタイムラインを見ながら、自分に割り当てられたタスクをこなしていくことになります。
便利に出来ていて、タスクをクリックすると、それに関連する情報や手順書が別ウィンドウで立ち上がるようになっています。
次世代のツールは、従来のツールの基本的な機能は踏襲しつつ、痒い所に手が届くような細かい部分での利便性が向上しているなと感じました。
また一番大きな変更点としては、タブレット端末での利用にも対応した点でしょうか。
これまで、ISSのタブレット端末でタイムラインを確認しようとすると、リモートデスクトップ機能と呼ばれる、いわゆるタブレットからのPCの遠隔操作によって、PC上の画面をタブレットに表示させることしか出来ませんでした。
当然、タブレットの特徴である指をスワイプしてスクロールさせるといった機能は利用できません。
それが、次世代ツールではタブレット端末のブラウザソフトを使ってダイレクトにタイムラインを表示できるようになったのです。
これは画期的なアップデートです。
例えば、PCを使えないような狭い箇所に入っての作業などで、タブレットでサクサクと手順書を確認できれば作業効率が向上するでしょう。
午後の眼鏡のフィットチェックでは、ISSで使用する4種類の眼鏡を選んできました。
4種類も!?と驚かれるかもしれませんね。
1つは、目を小さなゴミやホコリから守るためのゴーグルのようになっている眼鏡です。
パネルの裏など、普段アクセスしない場所での作業などで活躍してくれるでしょう。
2つ目は、サングラスです。
HTVのキャプチャー時など、外を見ながら行う作業で、強烈な太陽光から目を保護する為に使用します。
3つ目と4つ目は、これは同一のものを2つ持って行きますが、遠視用の眼鏡になります。
無重力状態で長期間生活している宇宙飛行士には、視力を含めて目の機能に影響が出る可能性が高いと言われていますが、遠視側のシフトする場合に備えるものです。
またいくつかの医学検査で目の散瞳(黒目の部分を大きくすること)が必要になってきますが、そうすると何でもない光が眩しくなったり、手元に焦点を合わせられなくなるので、その際にもこの眼鏡が活躍します。
大事なものなので、予備も含めて2つ持って行くことになっています。
私は普段眼鏡を使用しないので、この眼鏡を選ぶ、というのがとても新鮮でした(^^)
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