このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。
<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。
2015年1月13日
今日は通常の訓練はなく、ソユーズ宇宙船の座席の型取りが行われました。
この座席は地上に帰還する際のG(重力加速度)に宇宙飛行士が耐えられるように、個人個人の体型に合わせて型取りが行われます。
まず全身タイツ(!)を着て、写真のように座席に座ります。
実際は座るというより箱にすっぽり入るようなイメージですが。
そうして最初に上半身、次に下半身に石膏を流し込んで型取りしていきます。
石膏が固まるのを待ってもう1度座りなおし、着陸の衝撃がなるべく体全体にかかるように、ホットスポット(圧力が1点にかかっている箇所)がないかをチェックしていきます。
適宜石膏を削って微調整を行った後、最後はソコル宇宙服を着込んだ状態での最終チェックです。
幸い私はホットスポットらしい箇所がなく、ほとんど微調整は必要なかったのですが、
「この座席にこの姿勢で何時間も座ることになるんだ。どんな些細なことでも、気になる部分があったら言うように」
と何度も念を押され、しばらく座った状態でいたのですがそれでも気になる箇所がなく、予定されていた時間よりもかなり早く終了しました。
「素晴らしい! こんなにスムーズに終わるとは」
いや、私はただ座っていただけなんですが・・・(^^;)
私の居住しているコテージから訓練センターまでは、木々の間を歩いて10分ほどです。
夏はチャリ通ができるので、片道5分しかかからない交通至便の立地なのですが、冬はそうもいきません。
さらに昨日から気温が0度前後で雪が溶けはじめていて、それが夜の間に所々凍って非常に滑りやすくなっており、一歩一歩転ばないように歩いているといつもよりももっと時間がかかってしまいます。
地元の人々が、気温が暖かくなるのを喜ばない理由がわかるような気がします(^^;)
今日の午前中はロシア語の授業と水曜日にあるソユーズ宇宙船のシミュレーション訓練の事前ブリーフィングがありました。
事前ブリーフィングでは、ソユーズコマンダーのアナトーリ・イヴァニーシン飛行士と教官の3人で手順書の確認、システム知識の復習を行いました。
水曜のシミュレーションは、打ち上げ前準備から始まって、ランデブー開始前の段階までを模擬することになりました。
午後はISSのロシアモジュールの生命維持システムに関する訓練がありました。
名が示すとおり、各システムの中でも最も重要なものの1つですが、今日はそのうちの、船内の気圧のコントロールや監視を行っている機器について学びました。
ISSで想定される3つの緊急事態(火災・急減圧・空気汚染)のうち、急減圧の発生がどのようにして監視されているか、またクルーにどのような形でその情報が伝えられるかなど、クルーの安全に直結する大事な訓練です。
ちなみに多くのロシア人にとって、今日が新年の仕事始めになります。
年末はぎりぎりまで働いて、新年とロシア正教のクリスマス(1月7日)の週を休むからです。
NASA事務所のロシア人スタッフに「大丈夫?仕事始まってブルーになってない?」と聞くと、
「今日は大丈夫。みんなと休みの間の話で盛り上がるから。ブルーになるのは明日から(笑)」
と言っていました(^^)
人間の心理というものはそういうものかもしれませんね。
星の街での生活について、以前にJAXAのHPで連載していたコラムで紹介したことがあるので、ご興味のある方は読んでみて下さい。
大西卓哉の宅配便 『21通目 星の町』Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency | SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約 |