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2015年8月 7日
今日と明日で、今度の9月2日に打ち上がる予定のソユーズの、プライムクルーとバックアップクルーの最終試験が星の街で行われます。
最終試験は2日間で、ソユーズ宇宙船の試験が1日、ISSロシア区画の試験が1日です。
通常は、1日目にプライムクルーはISS、バックアップクルーはソユーズの試験を受け、2日目は逆の組み合わせの試験を受けることになっています。
今日の私のスケジュールは手動操縦のドッキングとランデヴーの訓練があった他は午後イチが空いていたので、バックアップクルーのソユーズ試験を見に行きました。
バックアップクルーのレフトシーターは、ESAのフランス人宇宙飛行士のトーマ・ペスケ飛行士です。
トーマは私と同じくエアラインパイロットの経歴を持っている宇宙飛行士で、エールフランスのエアバス機の副操縦士です。
ソユーズ試験は通常朝8時半頃から始まります。
午前中に打ち上げ前準備からISSへのドッキングまで、昼食を挟んで午後にアンドッキングして地球に帰還するまでを行います。
8時間近い長丁場です。
私が見学ルームに顔を出した時は、既にクルーはソコル宇宙服に身を包んでアンドッキング直前の準備をしているところでした。
見学ルームには、多くのインストラクターが集まり、モニター越しにクルーの一挙手一投足を観察しています。
モニターには、クルーが使っている操作パネルの表示がそのまま映し出され、どのタイミングでどのコマンドを送信し、どのパラメーターをチェックしているかが筒抜けです。
1日の試験を通して、大体5つくらいの不具合が入るのですが、この時も既に帰還モジュールの空気漏れが進行していました。
それへの対処を行いつつ、タイムクリティカルなアンドッキングの操作も並行して進めています。
クルーは3人一体となって見事な協調で事態に対処していました。
そのあともメインコンピューターの故障が発生しましたが、バックアップのアナログモードで無事に軌道離脱噴射を終え、いよいよ大気圏突入、というところで私は自分の訓練の時間が来たのでその場を後にしましたが、あとで聞くと無事に素晴らしい成績で試験に合格したそうです。
傍から見ていても、コマンダーとレフトシーターとのやり取りや、準備の仕方、報告の仕方など、全く隙のないチームワークで、とても参考になりました。
普段、自分たち以外のクルーの訓練を見る機会は少ないので、どうしても自分たちのやり方がベストだと思ってしまいがちですが、こうして他のクルーのやり方を見てみると、新しい発見が沢山あります。
今日学んだ点を、次回の訓練から生かしてみたいです。
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