このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。

<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。

サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年7月17日

(出展:JAXA)

その1

今日から「きぼう」に関する訓練がスタートしました。

午前中はシステムに関する総復習、午後には将来私がISSで実施する可能性のある宇宙実験・研究の紹介、それから「きぼう」のエアロックに関する訓練がありました。

実験についてはまたおいおい、個別にご紹介させて頂きたいなと思っていますが、今度8月16日に打ち上げる予定の「こうのとり」5号機には注目の実験装置が2つ搭載される予定です。

小動物(マウス)飼育実験装置と静電浮遊炉(せいでんふゆうろ)です。

私は大学時代に航空宇宙材料について研究していたので、中でも静電浮遊炉には大きな関心があります。
これは宇宙の無重力状態を生かして、試料を浮かせたまま高熱で溶かし、試料の熱物性について調べる実験装置です。
地上ではどうしても試料を容器に入れざるを得ず、その結果高温に熱する際にその容器が色々と実験に悪影響を及ぼしてしまいます。
宇宙では容器を使用せずに試料を浮かせられる為、純粋にその試料の溶解時の熱物性を計測することができるわけです。

エアロックの訓練では、モックアップを用いて、手動でエアロックを操作する練習を行いました。
通常は電気的な力でハッチを開けたり、中のスライドテーブルを出し入れするのですが、例えばその電気が失われた時などは、宇宙飛行士が手動でハンドルを回すことになります。

最近は小型衛星の放出で大忙しの「きぼう」のエアロックですので、私もぜひISSで実際にエアロックの操作を担当したいです。



その2

引き続き、「きぼう」の訓練が続いています。

「きぼう」のロボットアームに関する訓練から始まって、「こうのとり」との通信を確立するPROX(プロックス)と呼ばれるシステムの訓練、エアロックへの小型衛星放出機構の取り付け方法に関する訓練、昨日ご紹介した静電浮遊炉に関する訓練が行われました。

小型衛星の放出は、「きぼう」ならではの機能を生かしたミッションで、船内からエアロックを通じて小型衛星を船外に出し、ロボットアームで掴んだ後、軌道に放出するというものです。
「こうのとり」3号機で運ばれた衛星からスタートしましたが、それ以降多くの衛星が放出され、今後も予定が目白押しです。

通常のロケットで打ち上げられる衛星と比べて、以下のようなメリットがあるそうです。

•打上げ環境条件が厳しくない(ISS向けの船内貨物として打上げられるので、震動等の打上げ条件が緩い)
•打上げ機会が多い(各国のISS向け輸送機が利用できる)
•打上げ後、軌道上でのクルーによる事前機能チェックが可能(より確実なミッション達成)

今日の訓練では、船内でエアロックのテーブルに衛星放出機構を取り付ける手順を練習しました。
実際に衛星を打ち出す装置は2つあって、それぞれ3つの衛星が中にセットされているので、計6つの衛星を放出することが可能です。
その装置のドアが開くと、後ろからバネの力で衛星が押し出される仕組みになっています。

小型衛星放出機構(J-SSOD)


今週末は3連休ですね。
来週はいよいよ23日木曜日に油井さんの打ち上げが迫っています!
本当に楽しみですね。

それでは皆さん、どうぞ良い週末を♪



 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約