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2016年6月27日
6月26日 L-11 days
今日も1日、盛り沢山でした。
朝食後、まずはフライト用の手順書の確認です。
昨日のフィットチェック時に、インストラクターがエネルギア社から受け取ってきたものです。
訓練用のものとは違い、表紙がハードカバーになっていて、装丁がしっかりしています。
アナトーリはタブレットを使用しますが、私とケイトは従来通りの紙の手順書になります。
訓練用の手順書は、シミュレーション訓練を通じていくつか誤記や手順の抜けが発見されていましたが、それらが全て修正された最新版です。
今日の夜のうちに、インストラクターが使い勝手を良くするために色々と加工をしてくれるそうなので、今日のところはそのまま返却しましたが、明日はそれを受け取って、自分のメモを書き写していく作業が始まります。
続いて、国旗掲揚式が行われました。
バイコヌール訓練の正式な開始を意味する式です。
バックアップクルーで来た時は、日本の国旗が揚がるスペースはありませんでしたが、今回はしっかりと用意されていました。
アナトーリとオレグがロシアの国旗を、ケイトとペギーがアメリカの国旗を、トマは日本の国旗を一緒に揚げてくれると言っていたのですが、結局4本目のカザフスタンの国旗を揚げる役に落ち着きました。
快晴の空に向かって、4つの国旗が揚げられました。
その後、来賓からの祝辞がありましたが、エネルギア社の幹部からは、
「本来であれば、君たちはもう宇宙にいるはずだった。ただ、確認が必要な箇所が出てきたので、我々は為すべきことをした。お陰で、宇宙船は万全の準備が整った」
という趣旨の言葉があったのが印象的でした。
言われてみれば、当初の予定では一昨日打ち上がって、今日はISSとドッキングの日だったのです。
でもその事実よりも、それぞれがそれぞれの立場で為すべきことをする、という言葉の方が私の心に響きました。
式典のあとは、バックアップクルーはバイコヌール市内の表敬訪問に出かけ、私たちはそれぞれの訓練に分かれました。
私は、ソユーズの手動操縦に関する手順のレビューと実習。
他に、宇宙飛行に向け身体を慣らしていく訓練が始まりました。
この訓練はロシア人クルー以外には必須ではないのですが、私たちは2日間のランデヴーになるので、今のうちに出来ることはやっておいた方が良いと思い、私は希望しました。
訓練は2種類あって、1つ目はベッドに寝そべって、そのベッドが頭を上にしたり、下にしたり一定時間ごとに傾きが変わるというものです。
15度頭を下にしたあと、50度頭を上に、今度は頭を30度下に、といった具合です。
全部で30分のプロファイルでした。
頭を下にすると、血液が頭の方に集まるのがはっきりとわかりますし、その後心臓の鼓動が強くなって、重力に逆らって下半身に血を送ろうと一生懸命働きだすのがわかる気がします。
そうすると、段々その状態でいることに慣れてきます。
人間の身体の適応能力ってすごいですね。
30分のプロファイルを終え、「楽勝楽勝♪」と次の訓練に臨みました。
『回転椅子』です。
グルグル回る椅子に座った状態で、首を2秒毎に左右に傾けます。
医師「気持ち悪くなったらすぐに言うように。我慢しないように。今日は最初なので、最長でも4分間まで」
と言うので、(4分か、楽勝だな)と思いつつ、いざ回転スタート。
医師の合図で、頭の運動開始。
最初の30秒くらいは何も感じませんでしたが、段々と身体が熱くなって、汗がにじんできました。
三半規管の感覚がめちゃくちゃになっていく感覚が襲ってきます。
気持ち悪くなってきて、これ以上続けたら多分吐くな、と思ったので、そこでストップ(;´・ω・)
2分もたなかったですね。
回転椅子、恐るべし。
訓練を重ねることによって、耐えられる時間が増えていくとのこと。
気持ち悪い訓練ですが、頑張るしかありません。
医師「キミヤ(油井さんのこと)はサムライだ」
と、その医師の方が、この訓練でいかに油井さんが驚異的な耐性を見せたか教えてくれましたが、油井さんにハードルを上げられるのはいつものことですのでもう慣れましたし、こればっかりは人それぞれの体質でもあるので、
私「ダー(うん)、あの人はサムライだよ」
と、対抗心すら湧いてきませんでした。
訓練後は、しばらく食欲なくなりましたよ(;´д`)トホホ
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