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2015年12月 3日
12月2日 L-13 days
1日の始まりは国旗掲揚式から。
このバイコヌールでの打ち上げ前訓練の正式な開始を意味するイベントなのですが、昨日のフィットチェックの方が日程的に優先度が高いので、順番が前後した感じです。
ポールが4本しかないので、残念ながら日の丸は揚がりません。
プライムクルー3人の出身国である、アメリカ、ロシア、イギリスの国旗と、バイコヌールのあるカザフスタン共和国の国旗が掲げられます。
クルーはそれぞれの国の旗を揚げるのですが、必然的に私はカザフスタンの国旗を揚げさせて頂きました。
自分の手で旗を揚げるなんて、いつ以来でしょうか。
小学校の林間学校以来のような気もします。
隣のペースを伺い伺いしつつ揚げました。
半年後には、しっかりと日の丸を掲げたいと思います。
来賓の方々から激励の言葉を頂き、関係者全員で記念撮影をしてセレモニーは終了しました。
そのあと、私たちバックアップクルーは慣習に則ってバイコヌール市内の博物館を訪れました。
ちなみにプライムクルーは参加しません。
プライムクルーが訓練施設を出るのは、宇宙基地内での訓練と打ち上げの時だけです。
私たちバックアップクルーも、市内に出るのはこれが最初で最後になります。
移動のバスの中で、地元のガイドの女性の方から、バイコヌールの歴史を簡単に紹介して頂きました。
街自体は55平方キロメートルですが、宇宙基地はなんとその100倍以上の7000平方キロメートルあるそうです。
いかに巨大な打ち上げ基地か、お分かりいただけますでしょうか。
博物館へ向かう途中、ガガーリン飛行士とセルゲイ・カラリョフ氏の像に献花しました。
ガガーリン像のところでは、子供たちが手作りロケットを打ち上げてくれるなど、地元の方々から温かい歓迎を受けました。
ガイドの女性「このバイコヌールでは、全ての記念碑は北か南に向けて建てられるように決められています。ただし、このガガーリン像だけは東、つまり太陽の昇ってくる方角を向いて立っています」
私(ほほう・・・、やはりガガーリンともなると、この町では別格の扱いなのかな?)
と思って聞いていたのですが、そのあとの説明が聞き取れなかったので、あとでこっそりアナトーリにその理由を聞いてみると、
アナトーリ「わかんない。聞いてみれば?」
とそっけなく言われてしまったので、ガイドの女性になぜガガーリン像だけ東を向いて建てられたのか聞いてみたところ、衝撃の回答が(笑)
ガイドの女性「たまたまよ」
これには思わず、ズコーーーーーーッとなってしまいました。
たまたまなんだ(;´∀`)
きっと、南北に向ける決まりを知らない方が建ててしまったのでしょう(笑)
でもそのお陰で、1年のうちシーズンによっては、ガガーリンの上に向かって挙げられた両手の間にちょうど太陽が昇るらしいです。
バイコヌールにある博物館では、宇宙開発に関する展示がやはり興味深いですね。
ソ連の宇宙開発初期の写真や模型をふんだんに使って展示されています。
ガガーリンが打ち上がった頃の宇宙基地の様子や、ソ連版スペースシャトルの「ブラン」にまつわる話などお聞きしました。
最後に、これまた慣習に則ってカザフスタンの伝統的な民族衣装を着た女性に私たちも衣装を着せて頂き、記念撮影。
アナトーリがめちゃくちゃ似合っていて爆笑でした。
そうそう、博物館で油井さんのアレも展示されていましたよ。
何か知りたい方は、写真を見て下さいね。
帰り際には、ちょっとしたお土産まで頂きました。
なんとバックアップクルーの写真で作ったバッジやマグネットです。
これはかなりレアなグッズではないでしょうか。
ていうか、自分の顔写真のバッジって、使い道に困ってしまいますね(;´∀`)
午後は、ソユーズインストラクターとのミーティングが行われました。
ここで、ソユーズTMA-A型19号機の正式な手順書を受け取りました。
これまで訓練で使用してきたペラペラの表紙のものとは違い、きちんとした表紙のついた手順書です。
訓練用のものは、ソコル宇宙服の手袋ではページをめくるのも大変なくらい使い勝手が悪いのですが、さすがに本番用のものはしっかりしているなと思いました。
それでも、リングで綴じてある穴はちゃんと補強シールを貼ってやったり、自分たちが使いやすいようにさらに手を加えてやる必要がありますが。
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