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2016年6月23日
バイコヌール出発前日。
朝イチに体重測定がありました。
このデータが、ソユーズの重心計算に用いられることになるでしょう。
続いて、プライムクルー、バックアップクルー、それぞれのフライトサージャンが一堂に集められ、いよいよ『ドクター・ノー』の登場です。
何のこっちゃ?という方は、半年前のバックアップクルー時の投稿をご参照ください。
大西宇宙飛行士Google+日記(2015年11月28日)
前回は冬でしたので、風邪を引かないようにといった注意がありましたが、今回は暑く乾燥した夏ですので、肌や鼻の乾燥対策や日差しへの対策といった注意事項について説明がありました。
明日、バイコヌールに到着してからは打ち上げまで、隔離状態に置かれることになります。
クルーだけでなく、インストラクターたちも全員、不必要な外部との接触は絶たれ、面会者も必ず『ドクター・ノー』の問診を受けて、健康状態に問題がないことを確認してからでないと面会できません。
続いて、クルーのユニフォーム?が支給されました。
特にいつ着るようにという指示はないのですが、絵的にクルー全員服が揃っていた方が良い時に着る用だそうです。
パープルのポロシャツです。
ひと目、自分では絶対に手を出さない色です。
これ、着こなせるのだろうか(;´・ω・)
トマあたりなら、見事に着こなしそうだけれど。
午後は完全フリータイムで、出発に向けた最後の準備です。
星の街には、もう帰還後のデブリーフィングとセレモニーの時にしか帰ってきませんからね。
忘れ物はしないように。
かと言って、荷物は極力少なくしなければいけません。
明日の朝は伝統の朝食会、それに引き続いてイス取りゲーム、出発式のあと、バイコヌールに向けて訓練センターの専用機で移動します。
何もかも、半年前に見たのと同じです。
違うのは、あの時は雪の舞う星の街でしたが、今は初夏の穏やかな日差し。
そして、プライムクルーという肩書です。
バイコヌールへの出発を明後日に控え、それに向けた準備とリフレッシュ訓練が続いています。
今日の午前中は、他のクルーのソユーズシミュレーション訓練を、インストラクターコンソールから見学させてもらいました。
本当は自分が訓練を受けたいところですが、シミュレーターのスケジュールも立て込んでいるのでそこは仕方ありません。
でも、パイロットの訓練もそうなのですが、人の訓練をオブザーブするというのは非常に良い機会になります。
自分と違うやり方を知ることも出来ますし、シミュレーターに座っていてはなかなか見えないものが見えたり。
訓練を受けることが出来る時間というのは限りがありますが、人の訓練をオブザーブすることで、その時間を何倍にも増やすことが出来ます。
ちなみに、インストラクターがどうやって不具合を投入するかを見るのが楽しかったです。
PC上で、ウィンドウのメニューから該当するシステムを選ぶと、そのシステムに関連する全ての不具合が表示されます。
これは膨大な量で、私がこれまでシミュレーションで見たことのない不具合も沢山ありました。
不具合を選んだら、次にパラメーターのセットです。
例えば、帰還モジュールから空気が漏れているという不具合であれば、どのくらいのテンポで気圧が低下するかというパラメーターを自由にセットできます。
テンポが速い場合と遅い場合で、クルーの対処法も異なってきたりするので、そういうバリエーションまで含めると、本当に沢山の種類の不具合をシミュレーションできるようです。
午後は、ソユーズの手動降下操縦に関する訓練を受けました。
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