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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年5月 6日

手順書を読んでコマンドを適宜送信しながら、操縦テストを行っているところ。なかなかのワークロードです。(出展:JAXA)
一見すると張り込み中の刑事。(出展:JAXA)

今日の午前中は、ユーリ教官とのソユーズ宇宙船モーションコントロールシステムのデジタル制御ループに関するシミュレーター実習、午後はアナトーリと組んでのソユーズの手動ランデヴー訓練がありました。

シミュレーター実習は、4時間、みっちりと濃密な時間を過ごすことが出来ました。

今日は手順書のうち、モーションコントロールシステムに関係のない部分はほとんどすっ飛ばしたので、操作自体はそれほど多くはないのですが、その分少しでも手が空いた時間があると、ユーリ教官から怒涛の質問攻めにあいました(;・∀・)
かなり突っ込んだ内容の話もあったので、今更ながら目から鱗の情報もありましたし、はるか昔に聞いたことがある気がするといった情報もあり、とても勉強になりました。

例えば、加速度計や角速度計、赤外線地球センサーなどの重要なセンサーはそれぞれいくつかの系統があって、多重にバックアップが組まれているのですが、それらの複数ある系統のうち、どれを実際のコントロールに使用するか(プライム)、どれをバックアップにするかというのは、ソユーズのメインコンピューターがあらかじめ決められたロジックに従って自動で選択しています。

ただ、クルーが任意の組み合わせを強制的に選択させることも可能で、クルーが自らの判断でその操作を行うことはありませんし、むしろするべきではないのですが、場合によっては地上からの指示でそれを実施することもあり得ます。
そういった、普段クルーの目からは見えない、メインコンピューターが「裏」でやっていることを沢山復習することが出来ました。
シミュレーション訓練では、正直そこまでの知識が要求されることはないので、座学以来かなり忘れていた部分でしたね~

それと、通常はコマンダーがやる操作なので、私がしばらくやっていなかった手動操縦装置の動作テストなども今日は全て自分でやったので、それも良かったです。
これは軌道上に投入されてから割とすぐにやるのですが、左右二つの手動操縦用のコントローラーを起動して、コントローラーを動かした際にちゃんと所望のスラスタ―が噴いて宇宙船が動くかを確かめるものです。

普段ならアナトーリが操縦して、私が必要なコマンドを適宜コントロールパネルから送ってやるのですが、それを1人でやるのは大忙しでした。

午後の手動ランデヴー訓練は、以前からこのGoogle+を読んで下さっている方にはもうお馴染みですが、私が居住モジュールからレーザー測距機でISSとの相対距離と相対速度を測定し、アナトーリが操縦する訓練です。

もう何度もやってきた訓練ですので、こちらは全く問題なしです。
というか、私の操作はとても簡単(ボタンを押して表示される距離を読み上げたり、機械に入力して速度に換算したりといった操作)で、一生懸命操縦するのはアナトーリなのですが。
この訓練は今日が最後で、次はもう試験だそうです。



 
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