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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年4月28日

(出典:JAXA)

今日の午前中はISSで使用されているコンピューター、各種アプリケーションに関する訓練、午後はシグナス宇宙船のランデヴー・キャプチャー訓練などがありました。

いまでは本当に色々な分野でコンピューターが使用されていますが、ISSも例外ではありません。
宇宙飛行士がISSで日常的に行っている仕事のほとんどはコンピューターを使用します。
コンピューター自体は、地上で市販されているものと同じようなものですが、アプリケーションの多くは専用に開発されたものが多いです。

最も使用頻度の高いものをいくつか挙げると、スケジュール管理ソフト、手順書閲覧ソフト、物品管理システム、世界地図アプリなどがあります。
中でもスケジュール管理ソフトはとても重要で、各クルーメンバーのその日のスケジュールを一覧で見ることができたり、その時間帯に地上でどのような作業が行われているか、日照・日陰の繰り返し、通信カバーエリア内かどうか、などが1つの画面で確認できるので非常に便利です。
また、1つ1つのタスクをクリックすると、注意事項や使用する手順書へのリンクが開いたりします。

シグナス宇宙船というのは、アメリカのオービタル・サイエンシズ社が開発・運用するISSへの補給船です。
現在、ISSへの補給船としては日本のHTV「こうのとり」、アメリカのスペースX社のドラゴン宇宙船、ロシアのプログレス補給船とこのシグナス宇宙船があります。
HTVとドラゴン、シグナスの3つの宇宙船のキャプチャー(ロボットアームで捕まえること)訓練はジョンソン宇宙センターで実施されますが、基本的なコンセプトはどれも似ているので、今日の訓練ではシグナス宇宙船の特徴的なシステム・運用方法についてレクチャーを受けたあと、実際にシミュレーターでその手順を実施しました。

合計3本のシナリオを実施し、1本目は相対距離250mのところからキャプチャーまでを実施し、私が地上との交信・システムの監視を務めるかたわら、ケイトが見事なロボットアーム操作でシグナスをキャプチャーしました。

2本目は選手交替、ということで私がロボットアーム操作担当になり、相対距離30mからスタート。
ところが、航法システムが計測している相対距離にエラーがあり、シグナスがISSにこれ以上接近してはいけないというラインを超えてしまったため、クルーからのコマンドによりアボート。
アボートというのは、安全のためランデブーを中止することで、近距離でのアボートの場合は宇宙船のスラスターを噴射してISSから遠ざかるようになっています。
写真はアボートして遠くへ去っていくシグナスを見送っているところです。

3本目も、「さっきロボットアーム操作する機会なかったから、そのままタクヤがロボットアーム担当ね」というケイトの一言で引き続き私がロボットアーム操作に。
今度は順調に相対距離10mのキャプチャー地点までシグナスが到着し、そこからロボットアームによる捕獲手順へ。
ところが、ロボットアームの手動操縦を開始してシグナスとの距離を縮め始めたところで、今度はISS側の航法システム機器故障のメッセージが。
定められた手順に従い、アームをシグナスから遠ざけ、シグナスに30m地点への撤退をコマンドしたところで訓練終了。

結果的にシグナスをキャプチャーするところまでいきませんでしたが、元々今回の訓練の目的は、クルー同士の連係や不具合発生時の対処を学ぶことにありますので、これはこれで良かったと思います。
キャプチャー操作自体は、シミュレーターで2mのところから何度でも好きなだけ自習することができますしね(^^)



 
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