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2015年3月13日
今日が今回のアメリカでの訓練の最終日でしたので、軽めのスケジュールでした。
打ち合わせがメインだったので、代わりに昨日書けなかった船外活動システムの訓練について書きますね。
船外活動服はそれ自体が1個の完結した生命維持装置なので、非常に精巧にできています。
船外活動中のクルーの生命活動に必要な、酸素の供給、二酸化炭素の除去、服の中の冷却、空気の循環などの機能が、背中についているバックパックのようなものの中に詰まっています。
そして、それらの機能をコントロールするための操作盤が、胸部に付いています。
写真の、大きなお弁当箱のような形状をした装置がそれです。
もう少し具体的に言うと、空気のファンのON/OFFスイッチや、冷却水用ポンプのON/OFFスイッチ、温度調整用のつまみや、服の中の圧力を示すゲージなどの集合体がこの操作盤です。
さらにもう1つ、大事な機能として、船外活動服の現在のステータスや、何か異常が発生した場合のメッセージを表示する機能があります。
昨日の訓練では、船外活動服の構造について簡単におさらいしたあと、この操作盤のシミュレーターを使用して、色々な不具合への対応手順の訓練を行いました。
例えば、服の中の圧力が低下するケース(空気漏れ)や、二酸化炭素濃度の上昇などの事態です。
こういった不具合への対応手順は、左腕の袖(カフ)の部分に取り付けられている、通称カフチェックリストに記載されています(写真参照してください)。
不具合ごとにタブ分けされていますが、それでも分厚いグローブをはめた手でこのチェックリストのページをめくるのは、結構大変だったりします
(^^;)
チェックリストに沿って処置をして、それでも状況が改善しなかった場合、不具合によってはそのまま船外活動を継続できるような軽度なものから、すぐに船外活動を中止してエアロックに戻らなければならない緊急度の高いものまで様々です。
空気漏れなどがその代表例です。
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