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2016年1月13日
先週金曜のロボットアームによるHTVのキャプチャー訓練からの写真です。
シミュレーターの全景写真はなかなか珍しいショットです。
訓練の模様が良くお分かりいただけるのではと思います。
訓練の模様はこちら。
大西宇宙飛行士Google+日記(2016年1月10日)
今日は盛り沢山の1日でした。
朝8時からお昼の1時まで、第49次長期滞在メンバー6人全員での緊急事態対処訓練がありました。
6人とは、もうお馴染みのアナトーリ、ケイト、私のソユーズ47Sクルーと、シェインらソユーズ48Sクルーです。
48Sのロシア人クルーは、まだこちらでご紹介していなかったと思います。
ソユーズコマンダーのセルゲイ・リュジコフ飛行士と、レフトシーターのアンドレイ・バリシェンコ飛行士。
彼らと合同で訓練を行うのは、今回が最初で最後になるかも知れません。
大げさでなく、一緒にISSに滞在するクルーでも、タイミングによってはほとんど顔を合わせることなく打ち上げを迎えることも珍しくありません。
第49次長期滞在のISSコマンダーは我らがアナトーリですので、彼が中心になって役割分担をして、迫りくる緊急事態に対処することになります。
さらに言うと、ISSコマンダーを擁する私たち47Sクルーが中心、48Sクルーはサポート役になって対処にあたります。
私たちの方が数か月先にISSに到着するので、合理的な役割分担かなと思います。
シナリオは全部で4つ。
いずれも、これまでにこちらで書かせて頂いたケースとほぼ同じです。
もちろん、対応手順はほとんど変わっていません。
ただ、やはりISSに関する大詰めの訓練ということもあり、これまでより少し複雑なケースが多かったように思います。
例えば火災発生のシナリオでは、火元になった機器が少し特殊な場所にある関係で、火元の特定に通常よりも時間がかかったり、急減圧のシナリオでは、気圧が下がるペースが速くて、途中で時間切れになったため、ISSの3分の1くらいを隔離したままロシア区画側に退避することになったり。
急減圧の場合は、普通ハッチを片っ端から閉めていって、空気が漏れているモジュールを特定して、そのモジュールだけ真空にしてしまうのですが、今回は途中でこれ以上「犯人探し」を続けられないレベルまで気圧が低下したため、その時点で捜索を中止し、複数のモジュールを一気に隔離せざるを得ず、結果としてそれらのモジュールは真空状態になってしまいました。
それだけの容積のモジュールが一旦失われると、それを回復するのは難しいかもしれません。
実際には地上のエンジニアチームが相当に知恵を絞るでしょうが、それらを再加圧するには膨大な量の空気が必要でしょうし、決して容易ではないと思われます。
他にも、アンモニア漏れの緊急事態についても訓練しましたが、最初で最後にしては6人で上手く力を合わせて全てのケースに対処することが出来たのではないかと思います。
もちろん、訓練後のブリーフィングでは色々な反省点を皆で出し合ったので、それらは実際のフライトで生かせたら良いなと思います。
いえ、今回の訓練の成果が生きるような事態になってはそもそもいけませんね(;´∀`)
午後は会議を挟んで、今度はISSでの医療的な緊急事態対処訓練です。
こちらは、47Sクルーの3人だけで参加しました。
呼吸停止状態にあるクルーを台に固定して、心肺蘇生法(CPR)の実施、除細動器(AED)の使用、薬品投与などの緊急医療行為の実施などについて練習しました。
私たち3人の中には、医師はいませんので、3人で手順書を見ながら対処しました。
心肺蘇生いわゆる人工呼吸はマネキン相手に行うのですが、NASAは新しいマネキンを購入したらしく、胸部を圧迫する深さが足りなかったり、吹き込む息が少なかったりすると、機械が教えてくれるようになっていて、インストラクターから「もっと深く!」「そんなに息を吹き込んだら肺に負担になっちゃうわよ!」と厳しく指導してもらいました。
明日の朝イチは、前回の第48次に続いて、第49次メンバーでのスチール写真撮影、ポスターの撮影があります。
今回のポスターの原案も既に見せてもらいましたが、前回に続いて奇をてらわないデザインになりそうです。
出来上がったらこちらでご紹介しますので、どうぞお楽しみに。
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