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2015年2月18日
今日からジョンソン宇宙センターでの訓練を再開しました。
午前中は3時間のCMO(Crew Medical Officer)訓練、午後はロシア語と英語、体力トレーニングです。
CMO訓練では、軌道上で実施する可能性のある治療行為の実習があり、教室に行くと机の上にずらりと注射針やら点滴器具やら鉗子やらが並べられていました。
インストラクターは看護師の資格を持つ方で、私が全く医学的なバックグラウンドを持っていないことを知ると、初心者にもわかりやすいように非常に丁寧に教えてくれました。
まずは注射器のセットの仕方。
針を取り付けて、薬剤を注射器内に取り込んだあと、気泡を針先から抜いてやるやり方など。
そのあと人間の皮膚の模型を使用して、筋肉注射と静脈注射のやり方・注意事項を学びます。
慣れない注射器の取り扱いに少し戸惑いましたが、やってみると意外と簡単です。
模型が相手ですから当たり前ですが(^^;)
次に点滴のやり方。
こちらは点滴用のソフトな針を差し込まなければならないのですが、そのためには腕の数ある静脈の中から差し込みやすい部分を選んでやる必要があり、患者によってはこれがとても難しかったりするそうです。
そういった患者さんは看護師泣かせだそうですが、私の腕を見たときは
「ここ、いいね。あ、ここもいい。ここもやりやすい」
と、差すところには困らなそうでした。
続いて、裂傷の縫合。
大きく開いた傷口を閉じるテクニックを学びます。
方法は3つ。
①接着剤のようなもので傷口表面を接着させます
②ホッチキスのようなもので傷口をバチンバチンと止めます
③いわゆる縫合、つまり糸で縫い合わせます
傷の大きさ、程度に応じて、地上の医師がどの方法が適当かを判断し、私たちはその指示に基づいて動きます。
こちらも、傷口の模型を用いて実習を行います。
①は接着剤を塗るだけ、②は傷口の両側をピンセットで寄せ合わせて、ホッチキスでバチンと止めていきます。
あまりに原始的で驚きました。
少し難しかったのが、③の縫合です。
釣り針のような針を使用して皮膚の中に糸を通し、鉗子と指で糸を器用に結んでいかなければなりません。
結び目が大きくなってしまったりして、何度かやり直しました。
もちろん、このようなスキルは必要とされないに限りますが、宇宙では何が起こるかわかりませんし、その時に地上から受けられるサポートは間接的なものに限られます。
万が一に備え、こういった訓練がとても大事になってくるのでしょう。
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