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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年8月 8日

(出典:JAXA)

今日も昨日と同様に、アナトーリと組んでのソユーズの手動ランデヴー訓練がありました。
いつものようにアナトーリが帰還モジュールで操縦を担当し、私が居住モジュールでレーダー測距装置を用いて、ISSとの相対距離と相対速度を測定してアナトーリに伝えます。
この訓練もかなり回数をこなして来たので、もうお互い「あうんの呼吸」で進めることが出来るようになってきた気がします。
打ち上げ前には、このスキルの試験もあるので、それまでさらにチームワークに磨きをかけていきたいですね。

他にもロシア語や体力トレーニングがありましたが、今日も空き時間に他のクルーのソユーズ最終試験を見に行ってきました。
今日はプライムクルーがソユーズの試験を受けていました。

朝から見に行ったので、見学ルームに着いたころにはちょうどクルーが打ち上げ前のソコル宇宙服のリークチェックを行っているところでした。

私はソユーズのレフトシーターなので、どうしてもレフトシーターの仕事に注目してしまいます。
プライムクルーのレフトシーターは、ESAのデンマーク人飛行士 アンドレアス・モーゲンセン飛行士、通称アンディです。

昨日のバックアップクルーと今日のプライムクルーを見ていて、クルーによって仕事のやり方がかなり異なることが見えてきます。
もちろん、私のクルーのやり方も彼らのやり方とは異なる部分があります。
これはレフトシーターの違いと言うよりは、やはりコマンダーの違いによるところが大きいでしょう。

宇宙船を運用する手順は、手順書によってはっきりと決められていますが、それでもコマンダーの個性でクルーの仕事のやり方が変わってくるのは、見ていてとても面白かったですし、私の前職のパイロット時代を思い出しました。

旅客機は機長と副操縦士の2人のパイロットで飛ばしますが、1セットのクルーで大体2泊3日のパターンを一緒に乗務することが多かったです。
私の所属していた中型機のボーイング767の部署は大所帯でしたので、同じ機長とフライトを一緒にする確率はかなり低く、初めて一緒に飛ぶ機長と仕事をする機会が頻繁にありました。
旅客機の飛ばし方も、人によって千差万別で、だからこそパイロットの世界も面白かったのですが、初めてご一緒する機長と飛ぶ時は最初のうちはそれはそれは緊張していたものです。

どのやり方が正しいとか、どのやり方がより優れているという世界ではありません。
大事なのは自分のやり方を確立して、その自分なりのやり方でしっかりと安全に飛行を遂行することでした。
昨日今日と2つのクルーのソユーズの「飛ばし方」を見ていて、宇宙船のコマンダーという仕事もきっととても面白く、やりがいのある仕事に違いないと、そんなことを思いました。

来週はいくつか、特殊な訓練やイベントが盛り沢山です。
月曜には、エネルギア社へ私たちのソユーズ宇宙船TMA-M720のフィットチェックに行きます。フライト前のソユーズ宇宙船を間近で見るのは、これが初めてです!
火曜には6時間の通しシミュレーション訓練、木曜には先日ご紹介した減圧チェンバーを用いた急減圧対処訓練が待っています。
充実した1週間になりそうです。

それでは皆さん、どうぞ良い週末を♪



 
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