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2015年5月15日
シリーズ『宇宙飛行士の7つ道具』
其の壱 「ニーボード」
最初にお断りしておきますが、この企画、第2回以降は現時点で白紙です(爆)
ネタが思いつけばその都度投稿したいと思います。
記念すべき第1回目、そしてもしかすると最終回になるかもしれない(!)今回は、写真のニーボードをご紹介しますね。
読んで字の如く、膝にくくりつけて使うので、「Kneeboard(ニーボード)」と呼ばれます。
飛行機の世界でよく使われていて、私も小型機の操縦訓練を受けていた時代は大変お世話になりました。
いまも、T-38での飛行機操縦訓練とソユーズ訓練で大活躍しています。
来年のISSでの長期滞在中も使用してみるつもりでいます。
写真は私がソユーズ訓練で使用しているものです。
メモ帳、シャープペンシル、ミニタイマー、懐中電灯を入れています。
特徴を挙げると、まずどのアイテムについても共通していることですが、簡単にどこかに固定できるようにベルクロが取り付けられています。
ベルクロと言うのは、何度でも付けたりベリベリっとはがせる素材で、皆さんも1度は使ったことがあるはずです。
宇宙の無重力状態では必須のアイテムです。
シャーペンは万が一に備えて2本入れてあります。
そしてどこかに飛んでいってしまわないように、ひもでニーボードに結びつけています。
訓練・実践に関わらず、とっさに数字をメモする機会は頻繁にあります。
また、船内の圧力などの大事なパラメーターは、定期的にチェックしてメモしておくようにしています。
そうすることで、予想されるペースで変化しているかなど、把握することができます。
ミニタイマーも重要なアイテムです。
ソユーズのメインコントロールパネルにももちろん時計機能はついているのですが、それだけではとても足りないので、クルー1人1人自分のタイマーを持っています。
これ1台で、タイマー、ストップウォッチの両方の機能が使えます。
どちらかと言えば、ストップウォッチの機能のほうが使う機会が多いかな。
使用例としては、パラメーターが変化するテンポを計るときや、メインエンジンの点火時にストップウォッチをスタートさせる、などがあります。
懐中電灯は、いざ!という時用ですね。
万が一、船内の照明が使えなくなるような事態になっても、最低限の灯りは確保したいですからね。
あとは、パネルの陰になって見にくいスイッチの位置を確認する際などにも使ったりします。
以上、とっても頼りになる「ニーボード」君の紹介でした。
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