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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年5月19日

ハッチの開閉を行う(出展:JAXA)
火災の火元を発見(出展:JAXA)

今日の午後は、ISSロシア区画のRoutine Ops Sim(ルーティン・オプス・シム)がありました。
ISSでの日常的なタスクをシミュレーションする訓練ですが、これとほぼ同じタスクを来週の最終試験でも行うことになるので、ある意味予行演習のようなものです。

それにしても、今日は細かいミスを色々とやらかしました。
久しぶりのロシア区画の訓練というのもありますが、凡ミスもあり、とても勉強になりました。

アナトーリとケイトと、3人それぞれ自分のタイムラインに沿ってタスクをこなしていきます。
私に与えられたタスクは、

・食事の準備
フードウォーマーで缶詰と乾パンを温め、ジュースの粉末パックに水を注ぎます。
水を注ぐ際、ボタンを押しても水が出ないので地上の管制センターに確認していたら、なんと別のボタンを押していたというオチ。

・ハッチの開閉
ロシア区画のハッチは、2種類あるのですがどちらも非常にシンプルです。
ハッチを手で閉めて、取っ手をグルグル回すと、ロックされるようになっています。
慣れれば10秒もかかりません。
ハッチを開ける前は、横にあるバルブを開いて、前後の気圧差をなくさないといけないのですが、ハッチを開けた後にそのバルブを元に位置に戻すのを忘れ。
単純な手順書の読み飛ばしでした。

・ビデオメッセージの収録
3人で、地上のスタッフ宛てのメッセージを収録しました。
カメラの下のタブレット画面に流れるカンペ(!)を読んでいくのですが、スクロールが速く、私もケイトも付いていくのに必死。
一番最後の難解な単語でつまづく。

・食事の取り出し
フードウォーマーから食べ物を取り出す。
温めるのは、約30分かかります。
マンゴージュース飲んでみましたが、結構美味しいです。

・システム制御用ラップトップ端末の操作
地上からの指示に従って、画面を開き、気圧をチェック。
その後、アラームが鳴る基準値の設定変更を実施。

・トイレタイム
と言っても、実際にするわけではなく、宇宙トイレの使用法を確認。
まず、トイレシステムのステータスを確認。
その後、小用ホースと便器のセットアップ。
用を足した後の、処置をシミュレート。
次の人のための準備(これ重要!)をして終わり。

・サービスモジュール内の、二酸化窒素濃度の測定・記録

・荷物の移動
貨物船で到着した荷物を、所定の場所に片付けていきます。
終わった後は、物品管理データベースを更新して終わり。

・トイレ用汚物タンクの組み立て
本体と蓋を合わせてボルトで締めていくだけですが、ボルトを締める際は対角線上のボルトをペアにして締めていきます。
こうしないと、均等にボルトが締められず、気密性が失われ大変なことに。

・アマチュア無線による小学校との交信
小学生役のインストラクターの質問に対して、回答します。
ISSは秒速8km近い猛スピードで飛行しているので、ある地点で交信が可能な時間はわずか10分足らずです。
テンポ良く簡潔に答えていかないと、子供たちが用意してくれている質問全てに答えられなくなってしまいます。

・最後にお約束の火災
火元は、サービスモジュール内にある二酸化炭素除去装置。
火元を特定した後、消火器2本使ったところで鎮火。
その後、汚染された空気のクリーニングするためのフィルターを設置したり、火災発生に伴い自動で停止したシステムの再起動などを行いました。


訓練後はインストラクターたちとのデブリーフィングを行って終了です。
明日はバックアップクルーが同じ訓練を受けるので、夕食時に自分たちがやらかした失敗を共有しておきました。



 
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