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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年1月17日

(出典:JAXA)

ソユーズのシミュレーション訓練は4時間で、午前か午後のどちらかにスケジュールされます。
打ち上げまでに28回の訓練が予定されているのですが、そのうち3,4回に1度はソコル宇宙服に身を包んでの訓練になります。
より現実に近いのはもちろん宇宙服を着用しての訓練ですが、色々と準備も大変なことから毎回、というわけにはいかないのです。

昨日は午前中にその訓練がありました。
今回はISSとのランデブーの部分です。
ISSに80kmくらいまで近づいたところから訓練スタート。
ナビゲーションシステムの不具合や、外部冷却システム減圧の誤警報、船内に酸素を供給するバルブの不具合など、細かいトラブルを処理しながら最終的にはコマンダーの手動操縦によって無事にISSにドッキング。
(通常はソユーズは自動操縦によってドッキングします)

そのあとのリークチェック(宇宙船の機密性が保たれているかどうかの確認)、ISSとの均圧作業(圧力を同じにしないとハッチを開けられません)を経て、ハッチオープンまで模擬して終了です。

大きな問題もなく終え、まだ時間が沢山残っていたので、もう1度80kmから再スタートすることに。
同様に細かいトラブルを抱えながらISSへ25kmまで接近した時です。
船内の圧力がゆっくりと、しかし確実に低下していることに気付きました。
つまり空気が宇宙空間にどんどん漏れている状態です。
クルーの対応手順としては、ソコル宇宙服のリークチェックを行い、船内を気圧ゼロまで減圧して地球に緊急帰還することになっています。
酸素は直接宇宙服に供給されるので、その酸素を使いきるまでに地球に帰ろうというわけです。

ソユーズが緊急帰還する際、緊急とは言ってもやっぱりある程度救助が見込めるところに降りたいですよね。
大海原やジャングルのど真ん中に降りてしまったのでは、そのあとの安全が怪しくなってきてしまいます。

そのため、緊急事態発生時にはこのタイミングで軌道離脱噴射を行いなさい、というリストをクルーは持っています。
その定められたタイミングでエンジンを噴くことによって、少なくとも安全なエリアに還ってこれるわけです。

今回の訓練で問題になったのは、帰還を決めてから直近のこのタイミングまで10分しかなかったことです。
エンジン噴射のための姿勢を確立して、船内減圧への対応手順も並行して実施するには余りにも時間が足りなさ過ぎました。

時間に追われる中、コマンダーと並行して作業を進めていくうえで連係にもミスが出て、結局定められたタイミングで噴射を行うことができませんでした。

訓練後のデブリーフィングでもこの部分について集中して議論しました。
次に同様の事態になった場合に、何を最優先に、どう対処していくかをコマンダーと話し合いました。
失敗もありましたが、とても有意義な訓練だったと思います。
訓練が厳しければ厳しいほど、本番では自信を持って落ち着いて臨めるでしょう。
そういう意味では、パイロットの訓練と本当に良く似ています。

夜は、ISSに一緒に滞在することになるロシア人宇宙飛行士(コスモノートといいます)に誘われ、星の街のサウナへ。
暑いサウナに入ったり出たりを繰り返すのがロシア流ですが、半端じゃなく暑かったです(><)
中にいるだけで皮膚がやけどするんじゃないかと思うくらい暑かったです。
ロシアの人たちは平気そうだったので、慣れなのでしょうか??
でも、1週間の終わりとしては最高の終わり方でした。

少しマニアックな内容になってしまいましたね(^^;)
でも私たち宇宙飛行士の訓練というのは、一般の方々にはなかなか想像がつかないものかと思うので、これからもちょくちょくマニアックな投稿をしていくつもりです!!
苦手な方は読み飛ばしちゃってください。

それでは皆さん、どうぞよい週末を♪



 
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